2020.01.05

謹賀新年2020

本年も宜しくお願いいたします。

このブログをすっかり放置してしまい、定期的に見に来てくださっている方には申し訳ありません。ネタが皆無なわけではないのですが、なかなか気が乗らずというか、色々と事情もありまして…としか申しようがありません。

すでに時間が経ってしまいましたが、昨年秋には『歴史学研究』にて中近世移行期の日本貨幣史に関する小特集に寄稿し、研究史整理を行いました。私が今の研究を志したきっかけは、まさに同誌で1998年に特集された中世貨幣史の諸論文に触れたからであり、原稿にも書いた通り、その前年である1997年に一橋で行われた歴研大会でした。私にとって初めて行った歴研大会で、今でも(当日の丁々発止な遣り取りとともに(笑))思い出となっています。上記原稿は、当時のことも思いながら書きました。あれから20年が経って、私には果たして成長したでしょうか…。

なお、引き続き多くの方々から御高著を拝領しておりますが、御礼も紹介もできずにまことに申し訳ありません。今後の私自身の糧といたしたく、ありがたく拝読いたします。細々と続けていた紹介はまだしばらくできませんが、しばらくしたら再開したいと思います。

今年はなかなか学会に出かける機会もなさそうなのですが、なるべく耳学問もできるよう頑張ります。とりあえずは、目の前の原稿を早く終わらせたい…。

2019.10.29

上海にて喋る

先週末、上海の復旦大学で開催された研究会(フォーラム)に招待されたので、報告してきました。

テーマは、「世界史の中の東アジア」、いずこにおいてもグローバルヒストリーが全盛といったところでしょうか。

報告時間は20分しかなかったので、日本中世の貨幣史を中国との関係から概略的に話しました。

私は中国語はまったくできない(勉強したこともない)ため、報告からコミュニケーションから日本語一辺倒だったのですが、その結果、語学ができないことによるデメリットを終始痛感することになりました。ほかの報告(中国語)も日本に関する内容がほとんどだったのですが(近世から近代の思想史が多かった)、中国語ができない私は議論どころか報告を理解することもできず、なんとももどかしい思いをすることになりました。

この歳では、これから勉強しても「使いこなす」レベルに到達することはもう不可能でしょうけれども、それでも中国語をちゃんと勉強した方がいいだろうと思うようになりました。今後の研究動向を考えても、中国語の論文にアクセスできることは必須になりそうだし…。でもまあ、その前に英語がいかんとも。

 

2019.09.29

足跡だけですみません

なんとか毎月一度は書き込んでいたのですが、今月は色々とあり、とりあえず足跡だけ残すことにします。

来月もまともなことが書けるかどうか心配ですが…。

掲示板はいつも通り運用していますので、引き続きご活用ください。

2019.08.16

【受贈】『長篠合戦の史料学』

金子拓編『長篠合戦の史料学―いくさの記憶』(勉誠出版、2018年)受贈。ありがとうございます。これまでもいくつか成果をいただいておりますが、これも長篠合戦にまつわる合同研究に基づく成果の一つです。何度も言うのも恥ずかしいのですが、私はその末席に加えていただきながら、何も貢献できませんでした…。ただ、この調査に参加した際の記憶が、本書を通じて蘇ってきました。

 

さて、本書は、長篠合戦の経緯に深く切り込むというよりは、合戦後に様々な形で語り継がれてきた長篠合戦の「記憶」について、その過程を現代に至るまで実証的に分析する内容を主眼としています。文献では軍記物などがその主要な分析対象となり、各所に伝わる合戦図屏風といった絵画資料の分析も本書の重要な要素となっています(各屏風については、冒頭にカラー写真が収められています)。
以上の分析は非常に緻密であり、今後長篠合戦にまつわる記録・言説を勉強しようと思うならば、真っ先に本書が参照されることになるでしょう。

 

編者の金子さんが記す通り、本書のもとになった合同研究は、最終的には『大日本史料』の長篠合戦の巻(合戦だけで一冊になるそう)の編纂が目標になっているわけですが、『大日本史料』での史資料の編纂の前に、すでにそれらを用いた網羅的な研究が完成しつつあるように感じます。

 

長篠合戦の史料学―いくさの記憶

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2019.07.20

【受贈】『中世武士畠山重忠』

清水亮『中世武士畠山重忠―秩父平氏の嫡流』(歴史文化ライブラリー477、吉川弘文館、2018年)受贈。ありがとうございます。

 

関東を出自とする中世武士団はあまた存在していましたが、中でも中核的かつ代表的な人物である畠山重忠の伝記を中心として、中世武士団の発生と展開過程を広く概説した一冊となっています。
中世武士は在地領主とも呼ばれますが、「草深き田舎」から生まれたとするかつての理解とは異なり、中央での武官などからなる「軍事貴族」がその起源であり、彼らが関東での治安維持(反乱平定)や災害復興などに携わることによって土着し、領主となっていったことが明らかにされてきました。本書では、多くの先行研究を踏まえて、その過程を具体的に解説しています。中世武士論の入門書として最新かつ最適な内容ではないかと思います。

 

一般向けということもあり、畠山重忠ら登場人物の心情を語るような叙述にも気を配っていて、その苦労を感じました。というのも、このような叙述を一次史料から抽出することは困難であることから、校正の編纂史料に概ね頼ることになるため、個々の事例の採否の判断が簡単ではないからです。機会があるかはわかりませんが、私も同種の書籍を執筆することがあれば、参考にしたく思います。

 

中世武士 畠山重忠: 秩父平氏の嫡流 (歴史文化ライブラリー)
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