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2017.04.10

寧波

Ningbo_1先月、寧波へ行ってきました。大学院時代のゼミのメンバーとの間でかねてより計画していた旅で、なかなか実現できずにいたのですが、やっと実現できて感慨ひとしお。しかも私は寧波は初めてだったので、やっと念願が叶った心境でした。
ただ、行ってみるとこのように完全に都市化しています。当然といえば当然なのですが。

Ningbo_6Ningbo_5日中交流の痕跡を探して廻ったわけですが、残念ながら実見してそれとわかるようなものは遺されていません。左写真の霊橋は、川に囲まれたかつての寧波へ入る唯一の橋だったもので、その手前にある川岸が、各地からの物資を荷揚げする場所だったとされています。
留学で訪れた道元の祈念碑が近くにありますが、工事エリアになっており近づけず。

右写真は、その近くの日本人が多く居留した地に建つ境清興法寺跡の石碑。この辺りが寧波の乱の勃発地と目されています。

Ningbo_2時間が限られていたので少しだけですが、舟山にも行きました。これは舟山のごく手前にある瀝港(烈港)に建つ「平倭碑」。この辺りは、双嶼へ移る前に王直が拠点とした場所で、その鎮圧を記念して建てられたものです。石碑には多くの碑文が刻まれていましたが、ガラスで反射してまともに写せそうにないので、接写は諦めました。

Ningbo_3Ningbo_4中世の日本から留学僧が訪れた著名な二つの寺院。左は阿育王寺の開山堂。かつて、重源が周防の木材を寄進して建てられたと伝わっているもので、今のものはそうではないかもしれませんが、中に入ってみると確かに様式は東大寺大仏殿に似ている気がしました(専門じゃないので自信はないですが)。

右は天童寺。栄西も訪れた寺院ですが、道元が修行した所として知られています。日本からの曹洞宗関係の訪問者が多いらしく、境内にはその記念の品々が展示されている場所もありました。

Hangzhou寧波の後は杭州へ。こちらも時間が十分ではなく、霊隠寺の石仏を見学したり南宋時代の都市の遺跡をちょっと見たりした程度でしたので、再訪したいところです(カメラの調子も悪くなったのが残念)。写真は世界遺産の西湖。天気がいまいちでしたが、かえって水墨画のような雰囲気になってよかったかもしれません。

2017.04.03

2017年度

光陰矢の如し。春休みもあっという間に終わり、新年度となりました。

私の環境は特に変わりませんが、いろいろな形で環境の変わる方々におかれましては、新たなる前途が拓けますことをお慶び申し上げます。

昨年度は著書を出すことができたものの、その後の研究の進捗は今ひとつで、そろそろ始動したいところです。ただ、今年度は新たに勤務先の近所の某大学で1コマ受け持つこととなり、前期は講義なのでその準備も進めねばなりません。専門の話が中心になるので楽しみではあるのですが、ペースをつかむまでしばらくドタバタしそうです。

また、夏には海外で報告をする予定になっています。日本語でも可のようですが、討論者の都合上、英語で報告をすることになるかもしれません。報告自体は新しいネタを準備するというより、これまでの研究のダイジェストのような話になるので、準備はそれほど難しくないものの(報告時間は20分しかないし)、やはり討論がなあ…。英語の勉強をがんばります。

さらに、秋には国内外の貨幣史研究者の前で喋ることになっており、交流が広がることはとても楽しみなのですが、報告自体は戦々恐々(笑)。こちらも内容はダイジェストで。

とまあ、近年は講演などのような仕事が徐々に増えてきましたが、過去の貯蓄で食っていけるほどの蓄積には程遠いですので、研究活動が疎かにならないよう気を引き締めたいと思います。

新年度も宜しくお願いします。

2017.03.22

【受贈】『さつま人国誌 戦国・近世編』3

桐野作人『さつま人国誌 戦国・近世編』3(南日本新聞社、2017年)受贈。ありがとうございます。

長年にわたって続けられている新聞での連載をまとめたもので、主に戦国期の島津氏を中心にまとめられています。私は島津氏や薩摩・大隅の戦国期の動向については全くの不勉強ですので、知らないことばかりで勉強になりました。元々は新聞に書かれていることもあり、とても読みやすいです。

戦国期の鹿児島の歴史を学ぶためのみならず、写真なども多く掲載されており、史跡ガイドとしても有用ではないかと思います。私は鹿児島県の史跡をあまり見ることができていないので、いずれ訪れる際には本書で事前に予習してから行きたいと思います。

4860742478さつま人国誌 戦国・近世編 3
桐野 作人
南日本新聞社 2017-03

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2017.03.08

単著『中近世日本の貨幣流通秩序』を刊行しました

このたび、二冊目の単著となる『中近世日本の貨幣流通秩序』(勉誠出版、2017年)を刊行いたしました。

前著を出してから約8年が過ぎ、その後に発表した論考が増えてきましたので、最近関心のあることも新たに書き加えながら一冊にまとめることにしました。幸い勤務先からも助成を得ることができましたので、刊行する運びとなった次第です。

とはいえ、前著もそうですが、それぞれの論考は元から一冊にまとめる構想に基づいて書いたものではなく、率直にいえば当時の関心や依頼内容に基づいて個別に書いたものなので、一冊にしてどれほどのまとまりがあるのかという批判はおそらくあるでしょう。ただ、いざ一冊にまとめてみると、それなりにストーリーが描けているようにも感じていますし(感じるだけかもしれませんが(笑))、今後の課題も浮かび上がってきたと思っています。

論文集という形での単著となると、おそらく次はもう当分ないと思います(あってもリタイアした頃でしょう(笑))。そういう意味では、私の人生にとっても転機となる一冊になりそうです。
ともあれ、これまでの成果をこのように形にすることができたことは、多くの方々のご助力があってのことです。まして二冊目を出すことができたのはこの上なく光栄なことで、お世話になった方々に改めて御礼申し上げます。

なお、二冊目でもあるので、「あとがき」は比較的淡々としたものになりました(笑)。「あとがき」から読む方には物足りないと思いますが、ご容赦ください。

4585221700中近世日本の貨幣流通秩序
川戸 貴史
勉誠出版 2017-03-31

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2017.03.02

【受贈】『楠木正成・正行』

生駒孝臣『楠木正成・正行』(シリーズ【実像に迫る】6、戎光祥出版、2017年)受贈。ありがとうございます。

タイトルから想像が付くように、楠木正成・正行親子の伝記ですが、文章は平易でかつ図版が多数(毎ページ挿入されている)で、非常に読みやすい内容になっていると感じました。とはいえ内容は充実しており、現時点での研究の到達点がしっかりと踏まえられているように思います。

楠木正成といえば南朝の忠臣の代表格として知られていますが、その実像については長らくはっきりしませんでした。近年の研究によって徐々に実像が明らかになってきましたが、特に序盤ではその点について解説されており、私も勉強になりました。

個人的には神戸で生まれ育ったこともあり、楠木正成は地元にゆかりのある人物としてのイメージを強く持っています(実際に神戸の地名は、正成に因んで付けられたものが多い)。そのイメージ形成自体は近代史のテーマにもなりうるものですが、現実に活動していた南北朝期の時代像についての研究動向がよく理解できました。最近はこの時代の研究が熱を帯びているように感じますが、さらなる盛り上がりを期待します。

4864032297楠木正成・正行 (シリーズ・実像に迫る6)
生駒 孝臣
戎光祥出版 2017-02-23

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2017.02.06

【受贈】『戦国史の俗説を覆す』

渡邊大門編『戦国史の俗説を覆す』(柏書房、2016年)を、執筆者のAさんより受贈。ありがとうございます。

この版元からは刺戟的なタイトルの本がいくつかありますが、本書もその一つといった印象ですね。ただ、内容は攻撃的なわけではなく、丁寧です。
戦国期から江戸初期に至るまでの、一般的に比較的有名な人物や事件について、長らく通説化して「常識」とされていたことが、実は近年の研究によってその土台が揺らいでいることを、わかりやすく解説しています。帯にもあるように、川中島の戦い、本能寺の変や、あるいは関ヶ原合戦など、内容もバラエティに富んでいます。
個人的には、これまで様々な研究に触れてきた中で、本書で触れられたようなテーマに関わる議論が展開されてきたことを経験的に知っているので、それらの論文などに触れた当時のことを思い出しながら読んだ論考もありました。

最近は研究史を読み直すようなコンセプトの書籍が一般向けにも多く出されており、どれを読書の対象として選択するかが難しくなってきたように感じますが、「俗説」に飽き足らない人にとって、本書は内容も十分に刺戟的なものになっているように感じました。

4760147519戦国史の俗説を覆す
渡邊 大門編
柏書房 2016-10

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2017.01.16

【受贈】『わかる・身につく歴史学の学び方』

大学の歴史教育を考える会編『わかる身につく歴史学の学び方』(大月書店、2016年)を、執筆者のKさんとMさんの連名で受贈。ありがとうございます。

歴史学とはどういう学問か、どうやって歴史学を学ぶのか、という点は、研究者個々は経験で身に付いているものの、私を含めて多くの人は体系的に学んだ経験は意外に多くはないと思います。それゆえ、いざ教える側に立ってみると、ほとんど「口伝」で教えるほかに手段がなくて、しばしばもどかしい思いをすることもあるでしょう。

本書は、その「口伝」をかなりの部分で可視化したテキストという印象で、教える側としても、教わる側としても、実に有用なテキストになるのではないかと感じました。

特に印象的なのは、前半でガンジーには様々な評価がある例を挙げていますが、それを研究書や論文からではなく、複数の高校教科書の記述から導き出している点です。大学の授業で高校の教科書を用いることにはそれなりに批判的な意見もあるようなのですが、学生にしてみれば、はじめて大学で歴史学を触れようとした時に、いきなり専門書では面食らうこともあろうかと思います。そこで導入を教科書の記述の比較に求めていることは、そのような配慮があってのことだと(勝手に)解釈しました。比較検討するという、学問の基礎を学べる題材となっている点で、興味深い叙述でした。

もっとも、単なる導入書というのみならず、後半を中心に専門的な文献探索方法なども紹介されており、歴史学を専攻する学生にとっても手引きとして有用なのではないかと思います。
専攻しない学生にとっても、本書を読めば、大学で歴史学を学ぶとどのように自分の役に立つのかという点を理解してもらえそうだと感じました。

私は現在は歴史学の入門的な授業を担当していないのですが、今後そのような機会があれば、是非ともテキストに選びたい書籍の一冊になると思います。

4272412361わかる・身につく歴史学の学び方 (大学生の学びをつくる)
大学の歴史教育を考える会編
大月書店 2016-11

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2017.01.01

謹賀新年2017

歳を取ると早く感じるとは言いますが、節目が来るといつも時の過ぎるのを早く感じます。

昨年中は多方面でいろんな方々にお世話になりました。本年も宜しくお願いいたします。
昨年は歴研大会報告をするなど、特に前半は慌ただしく過ごしましたが、今年は特に大きなイベントもなく、比較的じっくりと課題に取り組むような一年になりそうです(今のところは)。

実は、昨年中に単著を一冊出す予定だったのですが、入稿が遅れてしまい間に合いませんでした。
ただ、現在校正中で近々校了となる見込みなので、近いうちに刊行できそうです。
それを機に、次のステップに向けて熟考していきたいと思います。
あとは、息抜きも忘れないようにしたいと思います。

年々ここに書き込む頻度が下がっていますが、引き続き宜しくお願いします。

2016.12.12

【受贈】『応仁の乱』

呉座勇一『応仁の乱―戦国時代を生んだ大乱』(中公新書2401、中央公論新社、2016年)受贈。ありがとうございます。ドタバタしていて、読み終えるのに時間がかかってしまいました。すみません。すでに本書は話題になっており、ここで詳しく紹介するのも屋上屋を架すようなものですが、少々の感想も含めたご紹介をば。

本書の白眉は、『経覚私要抄』と『大乗院寺社雑事記』を中心とした記録類から説き起こすというスタイルで、大和の動向から応仁の乱の顛末を描写しているところですね。この時期の京都の人間が遺した記録類も少なくないものの、実のところ政治的な叙述は上記の奈良で書かれた記録には劣るというのが率直な印象です。その点で、これらの両史料に目を付けたのは卓見というべきでしょう。

特に尋尊が記した『大乗院』は有名な史料ですが、奈良で書かれたこともあって、応仁の乱をめぐる顛末については、所詮は噂話にすぎないとしてあまり重視されてこなかった嫌いがあります。十分な検証を経た上で、本書はこのような評価を排して積極的に記事を参照しているところが特徴といえます(本書で多く紹介される大和の動向や各地の興福寺領荘園をめぐる情勢は尋尊自らが当事者ではあるので、これらの事例は自ずと信憑性が高いわけですが)。

応仁の乱そのものの戦況は、通説ではかなり複雑な描き方をされてきたわけですが、これは後世の軍記物に依存したストーリーであり、実際は多くの研究によって否定されています(今では、高校日本史でもかつてのような図式で説明されていないのではないでしょうか)。しかし、なかなかそれが一般には伝わっていないのがもどかしいところでした。本書はできる限り最新の研究を踏まえて叙述されており、応仁の乱をめぐる事実認識が世間的にもアップデートされることを期待したいところです。

ただ、内容が充実していることと諸刃の剣とはいえるでしょうが、一般向けとしては少々難解かなあという気もします。いや、版を重ねているので、それは杞憂なのでしょうね。

412102401X応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書)
呉座 勇一
中央公論新社 2016-10-19

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2016.11.07

【受贈】『本能寺の変と明智光秀』

洋泉社編集部編『ここまでわかった 本能寺の変と明智光秀』(歴史新書y65、洋泉社、2016年)を、執筆者のKさんより受贈。ありがとうございます。

17の論考からなっており、タイトルの通り本能寺の変と明智光秀の活動、その周辺における織田信長と周辺諸勢力との関係などについて、これまでの研究をもとにわかりやすく解説する内容となっています。タイトルからすると本能寺の変の「真相」というような内容をイメージしがちですが、それそのものよりも、信長の勢力拡大過程における諸勢力との関係について解説した論考が多く、かつ詳細で読み応えがありました。
読者にとっては、興味のあるテーマとそうでないものもあるかもしれません。その場合は興味のあるものだけを読み進めてもいいように思います。

相応の調整をしたかもしれませんが、内容については重複するところもいくつかありました。これだけの論者がまとまって一冊の本を書くとなると、それはどうしても避けがたいところではありますが。

本能寺の変がテーマとなると、しばしば突飛な議論で興味を惹こうとする著作も散見されますが、本書は実に冷静な態度になっていて、それがかえって面白味に欠けるという印象を与えるかもしれません。しかし、冷静な態度で厳然たる歴史的事実に向き合うことこそが、歴史に学ぶことであることを、本書は思い起こさせてくれます。

4800310652ここまでわかった 本能寺の変と明智光秀 (歴史新書y)
洋泉社編集部
洋泉社 2016-10-04

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