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2005.07.11

学問に対する精神の継承

先週末は「永原慶二氏の歴史学をどう受け継ぐか」シンポに出席。
報告も討論もためになりました。特に討論の方で生前の永原さんのエピソードが次々に出てきて、非常に面白かったです。研究者は、研究対象そのものへの思いは当然論文等を通して伝わるのだが、研究の背景にある理論的枠組みの形成過程といったようなものはなかなかわからないので、それに関わるお話が聞けたのはとてもいい経験になりました。
さて、我々がどう「受け継ぐか」。といっても、氏の理論を信奉し続けるという意味ではもちろんない。歴史学はあくまで現代社会にどのような形で貢献しうるのかを問い続けねばならない、という氏の一貫した研究姿勢が、私には非常に重く感じる。
時折歴史学は「批判の学」と言われ、それゆえ時には快く思わない人から「左翼」「アカ」と言われることも多い(もちろん別の意味でそう言われる歴史的経緯があったことは確かだが)。事実今も国家に対して批判的立場から意見する機会が多いのだが、今後もその姿勢が歴史学の一つの役目であるとともに、一方で「ためにする」批判に陥ったり、単なる利益誘導になるような意見に終始しないよう自覚せねばならない。
当日の討論でも話題になったが、今は歴史学に対する社会的評価が続落傾向にある。それを反映するごとく、この20年で雨後の筍のように大学が増加したが、裏腹にそこでは歴史学の講座はほとんど設置されないばかりか、既存の大学でも歴史学の講座は全体的に縮小傾向になっている。
しかしそれを単に韜晦するのではなく、どう「巻き返す」かが、我々が「受け継」いだ使命かもしれない。

中村政則「趣旨説明」
保立道久「永原慶二氏の歴史学」
井原今朝男「永原慶二氏の荘園制論」
池上裕子「永原慶二氏の大名領国制論」

主催者コメント:
永原慶二さんが昨2004年7月9日に81歳で亡くなられてから、一年が経とうとしています。
「お別れ式」(※引用者注:2004年7月20日@如水会館)には500名近くが集まり、多くの方に思い出を語っていただきました。また、ご自身が生前に『永原慶二 年譜・著作目録・私の中世史研究』(私家版)をまとめられ、親しい方々に頒布されました。しかし、それだけで永原さんの多彩な生涯や業績が語り尽くせたわけではありません。
私たちはそうした思いから、永原さんの人と学問や、氏に寄せる追悼の気持ちを、あらためて一冊の本にまとめ、永原さんを追悼するよすがにしようと考え、僭越ではありますが「永原慶二追悼文集刊行会」を発足させました。

なおシンポの詳細な内容はこちらが非常に詳しいです。

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コメント

TBありがとうございました。
最近は学会というものにとんと参加しておらないので、ひさびさのアカデミックな議論を楽しませていただきました。ただ、思いっきり専門的、研究会的雰囲気だったので、ちょっと面食らってしまいましたが…。(^_^;)
ということで、御礼かたがた参上しました。m(_’_)m

>GAKUさん
こちらこそ、コメントありがとうございます。ご感想が大変詳しかったので参考にさせていただきました。
確かにシンポとはいえ、実質的には研究会のような体裁にはなりましたね。元々、永原さんの研究そのものを検討対象にする意図があったようです。余談ですが、院生クラスの出席率が低かったのは、同世代の者として少々残念ではありました。

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