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2007.07.22

退潮の足音

分野によらず、学界というのは基本的に論文投稿と研究会活動が軸となっていると思います。そこで気になるのが、最近は研究会がやや盛り上がりに欠けることです。

私が定期的に出席している研究会だけかなぁ?と思ったので、試みに関西の某学会の活動報告を読んでみました。すると、やはりこちらも出席者が漸減傾向にあるらしい。
ただ、関西某学会の場合は、院生の参加は恒常的である一方、「中堅」有職者層の出席が芳しくないと書かれています。一方、こちら側の場合はどちらかというと逆で、院生の出席が目に見えて低調といった印象。

そもそも研究会というのはある一定の有志が意気投合すれば成立するものなので、近年では内輪的なものを含めて膨大な数になっていると思いますから、個々の研究会において出席者数が漸減傾向になるのは当然といえば当然な話です。
結局のところ、「会員が怠慢」だとか、「宣伝が足りない」といった結論になりがちですが(それが必ずしも間違っているとは言いませんが)、根本的には、個々の研究者は「体がいくつあっても足りない」状態にあるためなんでしょうねえ。そもそも自分の研究に充てる時間を確保するのも楽ではありませんし。結果的に、自らにもっとも関係の深い分野の研究会や報告を選択して出席せざるをえないのかなぁ、と。それを捉えて「最近は自分の興味のある研究会にしか行かなくなった」と「説教」しても、状況が変わるとは思えません。

かくいう私も、最近とある雑誌に新たに研究会の立ち上げを模索する旨を書いたりしましたが、実際に運営がうまくいくのか、現状を鑑みると不安の方が先に立つのが正直なところです。もっとも、上記の分析が正しいならば、ある程度細かい分野に特化した研究会の方がかえってうまくいくのではないか、という目算もあったりしますが。

ともかくも、ジェネラルを売りにしてきた既存の大所帯学会は、手をこまねいている場合ではなくなってきたような気がします。今手を打たないと、遠くない未来には定期的な研究会活動そのものが廃れてしまい、その下支えによって成立している年一度の大会にも大きな影響が及ぶでしょう(近現代史では既にそうなっていると言えなくもない)。

それが時代の流れだとシニカルに見るのも、一つの見識ではありますが…。

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コメント

 「お金を出していただけるのなら、研究会に出席いたします。」この一言に尽きるのではないでしょうか。

 大学院生と言えども、「研究だけしていればよい」環境にあるのはほんの一握りで、生計を立てるべく仕事しながら研究もするというスタンスを立っているのがほとんどでしょうし。で、結果的に自分の研究をするのが精一杯となってしまう。

 そこで、私はインターネット(電子会議)を活用した研究会運営をすれば、気軽に研究会活動ができると考えますが、いかがでしょう?

>たけうちさん
仰せごもっともですが、院生が貧乏なのは今も昔もあまり変わりませんからねぇ…。
近年の動向として出席者の減少が顕著に出てきているので、ほかにも要因があるんじゃないかなぁ、というわけです。

ネットを使った研究会ってのは、一つの可能性としてはいいかもしれませんね。もっとも、会の後の飲み会も楽しみの一つとしている人には、かえって不評かもしれませんが(笑)。

 いつもお世話になっております。さて、この私もこの3月に赤松氏研究会を開設しておりますが、一般の方の反響が大きいのに驚いています。いろいろと問題もあろうかと思いますが、一般の方を交えたような研究会があってもよいのかなあ、と思っています。ただ、懇親会が研究者だけの参加になってしまうので、「開かれていないな」という相反した気持ちもあります。いろいろな意味で歴史学も危機を迎えているので、地域や一般の方を巻き込んだ形での展開を模索しています。ちなみに、来年の10月は、某大学研究所との共催で、講演会・シンポを開催の予定です。

>渡邊さん
実際に会を運営しているお立場からのご意見、参考になります。
地域の問題とか、一般の方に足を運んでもらえるような企画が盛んになっていて、それなりに成功を見ているようですね。そちらにはあまり熱心ではない学会も、今後その辺は意識せねばなりませんね。

ただまあ、専門性の追求とでもいいますか、とにかく史料や研究史と対峙しながらの報告をしたり聞いたりする機会というのも、必要ではあるのですが、そちらはどうも盛況とはいえない状況なのが、もどかしいところです。

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