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2007年8月

2007.08.26

菊間 加茂神社

01kikuma03kikuma愛媛県今治市(旧菊間町)の加茂神社。今では農村のいち神社で観光地でもなんでもありませんが、個人的に一度行ってみたかったので。
名前から察せられる通り、この神社のある地域は上賀茂神社領荘園だったところで、中世では菊万荘と呼ばれていました。おそらくその鎮守として勧請されたと思われるのがこの加茂神社です。
菊万荘については関連史料があまり残っていないので詳しい支配状況はわからないところも多いのですが、一応15世紀半ばまでは荘園としての体裁を保っていたようで、室町期になると河野氏一族の得居氏が代官を請け負っていたことがわかっています。ただし戦国期になると荘園としての機能は崩壊したとみえ、史料上から名前が消えてゆきます。
04kikumaただ地元では、上賀茂神社とのゆかりを大切にしてきたようで、近世では松山藩が奉幣を捧げて保護をしていたそうで、今でも上賀茂神社の神事にちなんだ競馬(くらべうま)の行事(「お供馬」)が祭礼として行われているそうです(詳細はこちら)。この祭礼は県の無形文化財の指定も受けており、かなりの伝統を持つのでしょう。
去年行った加賀の金津荘もそうでしたが、中世の荘園の名残を伝える地域が今も結構多く残っているんだなぁ、と感慨深いです。

ちなみに近くの別の谷筋に、同じ上賀茂神社領荘園だった佐方保があり、こちらも「賀茂別雷神社」があるんですが、こちらは見つけられませんでした。再来を期す。

2007.08.23

道後 宝厳寺・石手寺

38hogonji39hogonji松山市の道後にある宝厳寺。道後温泉本館の東側、上り坂を登った所にあります。本館周辺は観光客で賑わっていますが、この辺りになると人気もあまりなく、ひっそりとしています(逆にあまりものさびれっぷりにやや心配も)。
このお寺、一遍の誕生所とされている所です。一遍は伊予の在地領主(在庁官人説もあり)である河野氏の一族で、源平合戦で活躍した河野通信の孫に当たります。惣領の河野通信は承久の乱で後鳥羽院方にくみしたため陸奥に流されて没落し、一遍はそのどん底の時期に生まれました。結局幼くして出家し、一度還俗もしましたが、また出家した後は各地を行脚しながら過ごしたようです。
まあ一遍の生涯についてはほかに詳しい文献やサイトはあるでしょうからこの辺にして(笑)、ここには有名な一遍上人像があるんですが(こちら参照)、もちろん私は見られませんでした…。ちなみに、境内には正岡子規の句碑や斎藤茂吉の歌碑などがあります。

44ishitejiもう一つは、松山の観光名所の一つといえる石手寺(いしてじ)。第51番札所です。写真の仁王門は国宝。鎌倉期のもので、文保2年(1318)建立説もあります。ただこの仁王門、撮影者泣かせで(笑)、なかなかうまく写真が撮れません。
寺伝では古代の伊予の豪族であった越智氏が建立したとされますが、室町期においては守護河野氏の菩提寺だったようで、室町期には大伽藍を誇ったようですが、長宗我部氏の侵攻で多くが焼けてしまったそうです。ただ中心的伽藍はほとんど残っています。

41ishiteji42ishiteji左写真は本堂(重要文化財)。仁王門と同時期のものとされているので、鎌倉期のものと推定されています。右写真は三重塔(重要文化財)。こちらも同様。ほかに鎌倉期のものとして、でっかい五輪塔、鐘楼、訶梨帝母天堂(かりていもてんどう)、護摩堂があります(いずれも重要文化財)。私はかつて松山に住んでいたこともあって、わりと見慣れていたのであまり写真を撮らなかったんですが、全部撮ってくればよかったな…。

2007.08.20

デジタル化されぬ文字たち

しかし一向に涼しくなりませんねぇ…。やはり処暑を過ぎるまでは暑さも続くんでしょうか。当たり前ながら、暦ってよくできてるなぁ。

閑話休題。

私は現在、自宅ではXP、大学ではVistaと二種類のウインドウズを使っています。「XPと何が違うのかよくわからない。(だから要らない。)」と好評の(笑)Vistaですけど、最近になって、(私にとって)大きな違いのあることがわかりました。

合字の「より」(近世史料でお馴染みの字)がある。

大学のパソコンで何気にフォントを覗いてみたら、見つけて驚きました。なんだあったんか、と思って入力し、自宅で開いてみると、やはり表示されていない…。

なんでかとしばし考えたところ、採用している文字のJIS規格に原因があるんじゃないか、と思いつきました(詳しくはここを参照。いわゆる「JIS X 0213:2004」というやつで、有名なのには「鴎」の字(新しい規格だと左側が「區」になっている)がありますが、もう一つは「葛」。下の部分が「ヒ」になっているのが古い規格で簡略した異体字なんですが、新しい規格では正字が表記されます(「ヒ」ではなく、「偈」の右下の部分の形)。文字のコードは同じなので、使っているOSによって表示のされ方が違います。

普段から文書に触れていると、異体字なんてのはそれこそ山ほどあって、活字にする際には困ったりすることも多いわけですが、常用漢字が明確に規定されている今も異体字はたくさん使われ続けているという点では、そんなに文字との付き合い方が昔と大きく変わったわけでもないかもしれません。特に人名(名字)なんかは大変なようです(以前某新聞で、「辺」の異体字が20種類近くあるという話もありましたが)。

新たなJIS規格は文科省の国語審議会が決めたもので、現代にあってはある程度こういう活動を国が担うのは仕方がないとは思うものの、採否の「選択」という行為がある以上、いつまでもこの問題は抱え続けるでしょうねぇ。
いっそのこと「今昔文字鏡」を標準機能として採用していただけませんでしょうか?(笑)(←ただ、確か「文字鏡」にも「より」の合字は無かったような…?)(合字は「より」のほかに「こと」「して」などもあり、変体仮名も収録されていました。訂正いたします。同業の皆さんも是非存分にご活用ください(笑)。)

2007.08.19

伊予国分寺

28iyokokubunji33iyokokubunji愛媛県今治市の国分寺。第59番札所でもありますが、名前の通り、古代・中世における伊予国府があった地域です。今の国分寺のある場所は小さな高台になっていて、城館が置かれていたとも言われています。右写真がその遠景。なんとなく城の雰囲気がありますかね? 今の本堂(左写真)は寛政元年(1789)築。
29iyokokubunji古代の国分寺伽藍の七重塔跡礎石です。今は住宅地の中にひっそりと残っていて、一部は隣のおうちの庭石になっていた感じでした(笑)。かなり大きな礎石で、この上にでかい塔が建っていた様子が想像されます。
鎌倉後期から南北朝期頃にかけて、西大寺の系列に連なった国分寺がいくつかあったそうですが、今も西大寺派なのは伊予国分寺だけだそうです(こちら参照)。

34iyokokubunji36iyokokubunji近くには、脇屋義助の廟所があります。脇屋義助は新田義貞の弟で、興国3年(康永元年、1342)に南朝方の中国・四国総大将として伊予国府まで進出しましたが、ここで病死しました。四国においてはこれで形勢が北朝方に傾き、細川氏が四国を押さえてゆくきっかけとなったとされております。

伊予国府には詰めの城として国分山城があります。ここが伊予計略の上で要衝であったことから、この地域で激しい争奪戦が繰り返されてきました(そのたびに国分寺も焼けているらしい)。室町期は守護の河野氏が影響力を保持していましたが、戦国期になると来島村上氏や能島村上氏が睨みを効かせる地となり、戦国末期には長宗我部氏の攻撃を受けています。長宗我部氏が天正15年(1587)に秀吉に降伏すると、替わって福島正則が入りました。その後小川祐忠が城主となりましたが、廟所にある写真の供養塔はこの小川氏のものだそうです。事実かどうかはわかりませんが。
小川祐忠は関ヶ原後に改易され、藤堂高虎が転封でやってきた直後の慶長7年(1602)、国分山城は廃城となり、本拠地が今治城に移りました。

2007.08.16

本山寺

18motoyamaji25motoyamaji香川県三豊市(旧豊中町)の本山寺(もとやまじ)。第70番札所です。寺伝によれば平城天皇の御願によって空海が建立したとされておりますが、文書が残っておらず、詳しい来歴はよくわかっていません。天正年間に長宗我部氏による兵火をなんとか免れており、仁王門(左写真、重要文化財)と本堂(右写真、国宝)が残りました。
仁王門は鎌倉期のもので、禅宗様と天竺様を折衷した珍しい様式のものだとか。本堂も同じ様式で、寺伝によると、正応4年(1291)に佐々木氏信の寄進を得たのち、正安2年(1300)(正安3年説もあり)に建立されたものとされています。香川県内では、唯一の国宝建築物だそうです。

21motoyamaji境内には鎌倉期のものとされる五輪塔がいくつか残っています。かなり大きなもので、伝承の通り佐々木氏のような規模の御家人あたりから庇護を受けていたのでしょうか。ちなみに鎌倉後期の讃岐は得宗かもしくは北条一門が守護だったようですが、北条氏との関係は見出せないようです。

24motoyamaji五重塔もあります。こちらは近代になってからの再建。

2007.08.12

善通寺・弥谷寺

06zentsujiこれからしばらく、先日四国でまわった史跡特集です。
まずは善通寺(香川県善通寺市)。ご存じ空海の誕生所とされる寺院です。四国遍路の第75番札所でもあります。大同2年(807)建立とされているそうで、それによれば今年がちょうど1200年になるんですね。写真は本堂(金堂)。かつての本堂は永禄元年(1558)に三好実休(今は、三好義賢とは別人とされているらしい)によって焼かれてしまい、現在のものは元禄年間の再建だそうです。今は中世以前の建造物は残っていないようでした。
空海は宝亀5年(774)、讃岐国多度郡屏風浦(現在の善通寺市)に、地方豪族佐伯善通の子として生まれたとさております。「善通寺」の名は、父の名から取ったとされております(確か異説もあったかと思いますが)。御影堂の下をまわる戒壇巡りもありますが、今回はパス。

09iyadaniji善通寺から車で10分ほど行った所にある弥谷寺(いやだにじ、香川県三豊市[旧三野町])。こちらは第71番札所。
空海の修行所という伝承もありますが、注目すべきは、中世においてこの寺院は細川京兆家の重臣で、讃岐国守護代だった香川氏の菩提寺だったということです。香川氏の本拠であった天霧城の中腹に所在しています。

12iyadaniji15iyadaniji17iyadaniji境内には香川氏関係者の墓とされる五輪塔が残されています。かつては本堂の辺りにあったそうですが、今は本堂の少し下に集めて並べられています。
香川氏は三好氏と争ったり手を結んだり、長宗我部元親の子・親和を養子にしたりしながら戦国期を生き抜いていきましたが、元親による長宗我部盛親後継決定に反対した香川親和が若くして死去し、ここで実質的に滅亡したとのことです。以後天霧城も荒廃したようで、今は採石場になったために山の半分近くが削られてしまいました。地元の方々たちによる保存運動もあって、なんとか遺構の破壊は食い止められているようですが、なんとも残念な光景です。右写真は現地の案内板。アバウト(笑)。かなりな登山になるようで、しかも真夏は薮だらけでとても行けそうにありません。

2007.08.11

酷暑日

いやあこの暑さ、たまりませんね。ただでさえ暑いのが苦手なのに、ここまでくるときついです。ここ数日、うちの周辺ではセミが日付の変わる時間帯まで鳴き続けています。なんか異様な雰囲気。

ともかくも、お盆休みで遠出される方は、お気を付け下さい。私めは盆休みなどありませんので(笑)、月曜から普通に大学に通います…。って、勤務形態がおかしくないか? なんだか年末年始すら休みがなさそうなんですが。

ごく普通の毎日に空しさも感じますが、学生が休んでいる時がある意味「書き入れ時」ですしねぇ。結果的には、単に涼みに行っているだけという気もしますが(笑)。今こそ貴重な時間だというのに、集中力が散漫でどうにも…。

2007.08.08

真夏の四国

先週末は松山へ行って参りました。学部時代のゼミのOB会のため。でも、遠方からのこのこ出かけていくのももう私くらいしかいなくなったのかもなあ…などとちょっと寂しさも(過去ログを読み返してみると、前回行った4年前[2003.10.10条]も同じようなことを書いているな…)。
それはさておき、懐かしい話を交えながら、楽しく過ごさせていただきました。今度は是非どこかで泊まりがけの大宴会をお願いしたい(笑)。

01manno途中寄った満濃池(香川県まんのう町[旧満濃町])。ちなみに満濃池は、中世では上賀茂神社領でした(史料上も、「~庄」ではなく「万濃池」と書いてあります)。どういう所領経営をしていたのかはよくわからないんですが。水利権とかだったりしたら面白いけど、一帯の地域を所領とする普通の荘園だったんでしょうかね。

46yuzukiこれは松山市の湯築城跡。今回は道後に泊まりました。旅館の湯は本館と違ってぬるめで良かったです(笑)。私、本館の湯は熱すぎてダメなんですよねえ。

15amazaki今回は初めて「しまなみ海道」を通って帰りました。写真は大三島から見た甘崎城跡。一度渡ってみたいんですが、機会に恵まれません。干潮になると道ができるという話もありますが、実際のところどうなんでしょうか。天智天皇の時代からあるとされますが、中世では海賊衆の今岡氏や来島村上氏の支配した城だったようです。

例によって?ほかにいろんな所に行きましたので、追々ご紹介したいと思います。ラインアップとしては↓の予定(変更あり)。

(1)善通寺・弥谷寺(2)本山寺(3)伊予国分寺(4)道後 宝厳寺・石手寺(5)菊間 加茂神社(6)大島の石塔(7)大山祇神社(8)生口島の史跡(9)因島・金蓮寺(水軍城)

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