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2007.09.26

「教育再生」のゆくえ

このところ政治方面ではいろいろありましたが、気になるのは「教育再生」(ってか、教育がいつ死んだのかよくわかりませんが)問題。このところなんだかやや迷走気味ですが、頭目が変わってこれからどうなるんでしょうかねえ。

ちなみに、ここ数年、ドクターの入学者数がかなり減っている傾向にあるようです。大学によっては、定員を大幅に下回っているところもあります(かくいう私の所属大学も…)。いわゆる「重点化」で大学院の定員増がなされたわけですが、当然ながらその先の将来が不透明なため、一般企業への就職状況の好転も相まって思いっきり大学院が敬遠されはじめています。
このような傾向は、個々の将来設計を考えれば、当たり前の話です。引く手あまたの就職先を蹴ってまで、職が得られるかどうかわからない(しかも経済負担も大きい)大学院進学を選択する余地は、よほどの覚悟が無いとまずあり得ない選択です。

そこで問題なのは、本当は研究を目指したいのに、進学を断念する人が増加することです。おそらく既にそういう人は少なくないでしょう。事実、私のまわりにも居ます。
その結果、このままでは、とりわけあまり存在意義に対する理解の進んでいない文系は、研究人口の減少が今後深刻になる可能性が出てきます。そうすれば「ポスドク」問題の自然解消に向かうではないか、という考えもあるでしょうけれども、やはり研究の進歩という観点からすれば、そんなに楽観できる話でもないように思います。研究人口の減少が進めば、今後いろんな面で弊害が出てくる可能性があります。

といっても、ドクター進学については、なかなか勧められないのも現実なわけで…(笑)。

「教育再生会議」は、これから大学・大学院の将来について議論する段取りになっていたかと思います。個人的には、イデオロギー先行が目立つこの会議そのものにあまり期待するものは無いのですが、世間に対する影響力は大きいので、今後の議論の展開によっては大学院の諸問題が輿論の俎上に登ることを少しは期待していたものの…。それすら期待薄となってきたわけですが、はてさてどうなるでしょうか。

現在の「ポスドク」問題も重要ですが(私はそのまっただ中にいるわけで…(笑))、その後、研究分野によっては深刻な「後継者不足」が予想される事態になりつつあります。これからはそこまで見据えた議論もする必要があるようにも…と感じている次第です。

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コメント

こんばんは。某所での採用試験が一段落し、ちょっとほっとしつつ、論文の推敲をしているところです。

さて、
>一般企業への就職状況の好転も相まって思いっきり大学院が敬遠されはじめています。
ですけど、やっぱり「リカレント教育」というのを、大学(大学院)がもう少し本腰を入れて社会に向けてアピールするのが一番良いのかなぁ。私はこのように思ってます。

社会の大学院に対するニーズって結構あると思いますよ。最近は常に新しい技術と情報とを得ておかなければ、社内淘汰が行われる時代なので、こうした「向上心」のある人々の受け皿に、大学院はなれると思うのです。

けど、私が知る限り、こうした取組みを実際にしている大学・大学院は、あまりないようです。やっぱり自分たちを未だに「研究者養成機関」と位置付けているからではないですか?でも、このように位置付けてしまうと、社会的欲求(大学院の門戸開放)と乖離してしまい、ますます大学院に来る人がいなくなるのではないでしょうか。

ですから、私としては大学院改革を行う上で、こうした要求に配慮し、いつでも大学(大学院)に戻ってこれる体制を作った方がよいのではないかと思いますよ。聞くところによれば、これから学芸員は院卒でなければ取得できなくなるようですよ。だから、学芸員になりたい人は、必然的に大学院に進学することになるみたいです。

>たけうちさん
試験おつかれさまです。
大学院の経営についていえば、仰せごもっともなところです。実際にビジネス的に実学となるような分野では、社会人の受入体制が充実しつつありますね。

ただ私が懸念しているのは、大学院の経営ということよりは、学問の継承という側面にあります。すなわち、「研究者養成機関」としての役割についての話をしております。

人文系は個々の素養を広げるという意味での社会人の需要はあるかもしれませんが、本格的に研究者を目指すとなると、どこまでモノになるかは、やや懐疑的なところが実はあります。実際に一線で活躍される「社会人研究者」の方はおられますが、比率としてはごく少数なのも現実です。

それはなぜかと考えた場合、自らの研究スタイルを確立するためには、かなり時間のかかることが原因ではないかと思います。
実感としては、比較的時間の持てる従来の院生でも、10年ぐらいはかかりますから(正規の5年ではとてもじゃないけど無理なことは、実態としてお感じでしょう)、「研究者の再生産」という観点からすれば、社会人やリタイア組の参加も大切なことですが、やはり「若手」の研究人口減少は重大な問題として受け止める必要がある、と考えているわけです。

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