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2008.01.24

広辞苑を典拠にできないわけ

『広辞苑』(岩波書店)の新版が発売され、やはり辞典としては圧倒的な人気を見せているようで。
ちなみに私は旧版を含めて、持ってません。

ダラダラとテレビを見ていると、ある番組で広辞苑が取り上げられ、論文で広辞苑を参考文献として挙げるのはタブーとなっている、というような趣旨の話がありました。

この意識、私も持っています。というか、学部時代に授業でそういうことを言われたような記憶があって、それ以来、広辞苑を引くことは滅多にありません。語句を調べる時は、ご同業にはお馴染みの、『日本国語大辞典』(小学館)がやはり主流ですね(置き場がないので私は持っていませんが…。それゆえ少々厄介)。

でもよくよく考えると、なぜ広辞苑はタブー視されているのでしょう…?

もっとも、広辞苑だけを問題視しているわけではなく、一般的な国語辞典を引いて済ませることが問題ということのようです(例えばこちらこちら参照)。確かに一般的な国語辞典に頼るのではなく、専門分野に特化した辞典(日本史の場合はやはり『国史大辞典』(吉川弘文館)でしょうか)を優先すべきだというのはよくわかります。→もっとも『国史大辞典』も、研究の進展によって修正すべき項目は少なくないですが。

まして最近では、大学でのレポートあたりでもやはりウィキペディアを参照している学生が多いらしい。ま、日常でのちょこっとした調べ物や、当たりを付けるという点でウィキペディアなり広辞苑なりを引くことは全然問題ないですが、研究に触れるというレベルにおいてそこで終えてしまうのは、やはり探求心が足りない、という判断を下されてしまうものなのでしょう。
結論としては、記載されている内容が果たして正確かどうか綿密に検証すべし、ということですね(特にウィキペディア)。広辞苑の記述をすべて疑えとまでは言いませんが、丸呑みもするな、と(こちらのブログは興味深い)。

ともかくも、やはり大学でのレポート以上の段階になると、特にその専門に関わるような用語については、国語辞典を引くだけで済ませるのは問題ということのようです。とはいえ実際にこの辺りの線引きを当の学生はできているかというと…、どうなんでしょうかね。そもそも学生は「にっこく」すら知らないしなぁ(実体験済)。
しかも、時々専門的な本でも広辞苑を参照してるような本もあるし…。専門家がそういうことをやっちゃうのは、さすがに問題じゃないですかねぇ。安易に流されないよう気をつけたいものです。

…でも、携帯で広辞苑が引けるサービスがあるそうですが、便利そうでちょっと惹かれました(笑)。現地調査とかで、ちょこっと漢和辞典とか国語辞典が見たいなぁって思うこともありますもんで。電子辞書を持ってないためですが、そう考えると私も段々時代に取り残されつつあるなぁ。

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コメント

>そもそも学生は「にっこく」すら知らないしなぁ(実体験済)。

ガクモンとかケンキュウをはじめたばかりの学生に「にっこくの存在を知っていること」をもとめるのは少々酷ではないかと。N史研の同期は私も含め、研究室入りした当初は、誰も知らなかったと思います。そして、私の場合「にっこく」の存在や、孫引きしちゃいかんよ、ということをはじめて教わったのは、N史研ではなく、なぜか日本文学の演習においてだったような気がします。あははは。

>ガンQさん
いや、知らないのが問題というより、“知らせない”のが問題、という感じですかね。

実際、大学に限らず、学校って“調べ方”の伝授のシステムが著しく遅れているような気がします。
事実を覚えることより、調べ方を覚える、あるいは調べ方を見つけ出す能力を身につける方が、生きていく上では必要なことだと思うんだけど…と思うことしばしばですね。

こんばんは。

調べ方についてですが、先生から先輩から教えを受ける方法の他に、司書や教職といった資格課程を受講する方法も有効かと思うのですが、いかがでしょう?

例えば、教育実習(教職)は報告を組み立てる上で参考になりますし、レファレンス演習(司書)はありとあらゆる参考図書(辞書や書誌・年鑑など)を教えてくれるので、調べる技術が身に付くとして、研究者を目指す院生や学生が多く受講していると聞きます。

私自身も、今まで存在すら知らなくて、なおかつ研究を進める上で非常に有益な参考図書(辞書や年鑑など)を知ることができました。だから、こういう講座に誘導するのも、一つの手ではないでしょうか。

>たけうちさん
さすがに教職や司書課程の受講を強要するのは現実的ではないので、例えば図書館のガイダンス受講を必須にするとかというのがいいんじゃないかなぁ、と思っていたりします。

ただし、実際にそれくらいのことはやっている所も多いんでしょうけど…。結局学生の意欲次第だということであれば、その辺はいかんともし難いわけですが。

はじめまして、こちらのブログとは自分のだと思いますが、広辞苑をチェックするということはあらゆる分野のことにかかわるのでたいへんです。

>どこにいるの?さん
書き込みありがとうございます。貴ブログは圧倒的な情報量で、勉強させていただいております。

いやまさに、多岐にわたる分野それぞれにお詳しいのでびっくりしておりました。大変かと存じますが、今後も拝読させていただきますので、ご健筆お祈りいたします。

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