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2008.10.21

新米より古米。の時代

もう一つ、清水克行『大飢饉、室町社会を襲う!』を読んでいて印象に残った話。

実は中世では(というか、前近代は)新米よりも古米の方が値段が高かった、というエピソード。もしかしたら私もそのような史料を見たことがあったかもしれませんが、まったく気に留めたことがありませんでした。さすがに鋭い。

なぜ古米の方が高いか。その理由については実際に本を読んでいただくということにしまして(私は清水説に賛同です)、偶然にも史料を繰っていて下記のような記述を見つけました。

「粟田口畳サシ又左衛門弐石渡遣之、(中略)未進一粒も無之[古米一石、新米一石]渡遣之、」(『兼見卿記』文禄元年[1592]12月28日条)

吉田神社の吉田兼見が年末の支払に追われる中の一節ですが、京都粟田口の「畳サシ」職人である又左衛門に米2石を支払おうという場面。その内訳が「古米1石、新米1石」だったと注記されています。
今の我々の感覚でこれを読むならば、新米・古米の価格が異なるので、ほんとは安い古米で払いたいだろうけど、トラブルを避けるために半々にしたのだろう。…となります。これまでなら、きっとそう解釈してました。

ところが、真相はまったく逆です(笑)。実際は同量であれば古米の方が高価なので、新米だけでの支払が嫌がられるために古米を半分にした、というのが実像に近いと考えなければなりません。

事ほど左様に、現代的な生活習慣を無前提に遡及することがとんだ誤解を生むという戒めになるような話です。もちろん現代的な感覚が入り込むことに対しては研究者の皆さんは常に自制しておられると思うのですが、こういうごく日常的なネタについては落とし穴になってしまう危険があるのではないか、という気がします。みなさん気をつけましょう(笑)。

でも、やっぱ私は食べるなら新米ですね(笑)。

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コメント

古米の方が値段が高い理由には僕も驚きましたが、(日本史研究者でない)知り合いに尋ねてみたら、見事に正解(清水説)を導きだしましたよ。清水さん同様、生活実感さえあれば、現代日本人でも気づく人は気づくんですね。象牙の塔に籠もってちゃダメだなと反省しました。

それなりに門前の小僧なのですが、

・・・想像はできますが、
名言できないのが悔しいので
買って読みます(^^;

炊飯器のせいか、水加減に問題があるのか、
スーパーで売ってるブレンド米が大したこと無いのか
・・・実家で暮らしてた頃ほどには
ご飯で秋を感じない今日この頃

>御座候さん
理由については現代の我々でも納得はできるのですが、それに気づく感性はしっかり磨いておかねばなりませんねえ。

>武藤 臼さん
私も大した炊飯器は使ってませんが、米は結構ブランドを気にして買ってます。やっぱそれぞれ多少の違いは感じますね。

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