尾道(4) 千光寺

たぶん尾道で今は一番有名な寺院である千光寺。
寺伝によると、大同元年(806)に空海を開基として創建したとされ、後に源(多田)満仲の中興とされています。本堂は「玉の岩」と呼ばれる巨岩の上に建っているそうです。
左写真の本堂は、貞享3年(1688)築。この地方では珍しい舞台造りで、堂内の須弥壇は応永~永享頃(15世紀前半)のものとされています(写真撮れそうだったんですが、遠慮しておきました)。
尾道の背後にある山(千光寺山)のほぼ頂上部に位置し、眺めは抜群。そのため、多くの観光客が訪れていました。尾道観光では必ず組み込まれるスポットなんでしょうねえ。
中世の来歴はよくわかりませんが、立地からみても、やはり修験の道場だったと考えられています。また、千光寺山には戦国期に杉原氏が拠点を築いたとも言われています。

観光客のほとんどは見向きもしませんが(笑)、この寺院は石造物がなかなか見物です。本堂下を少し降りた所にある左写真の逆修塔は、天正17年(1589)2月の銘が確認されています。その隣には、右写真の磨崖仏もあります。尾道周辺では最も古い磨崖仏とされ、中世のものと思われます。
これは、本堂裏側にある石塔。
積み方がややいい加減な気もしますが…(笑)、下の二つは宝篋印塔の一部で、鎌倉期のものとされているようです。
正しいかどうかはわかりませんが、それぞれ中世のものであることは間違いなさそうです。

こちらは本堂下にある逆修塔と磨崖仏。左側のものは、はっきりと天正17年2月の銘と、「逆修」の字が読み取れました。上の磨崖仏と同時に造られたものでしょうね。
右写真は、年代はわかりませんが、これも同時期のものなのかもしれません。
いずれも素朴な造りという印象ですが、尾道の中世における仏教信仰の様相を窺える貴重な資料といえそうですね。
■広島県尾道市
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