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2009.10.30

NHK教育の中世ネタ二件

NHK教育「知る楽 歴史は眠らない」の第2回を見ました(第1回の感想はこちら)。

堺を中心としたお話。大徳寺の文書とか、いろいろと見られて面白かったです。(一部、文書の該当箇所と字幕が合ってないのが気になりましたが…)。

一つ気になったのは、番組中では1貫文を現代の価値で100万円に設定している模様でしたが、これはどうなんでしょうかねえ。
安易に現代の物価と比べるのは慎むべきとはいえ、イメージを膨らませるためにはある程度そういう目安を提示することが一概に悪いこととは言えないと思います。ただ、かなり価値を高めに見積もってませんかねえ?
時代にもよりますが、私は中世後期だと1貫文はおよそ10万円くらいかなあといった感覚です(1文は100円位)。1文=1000円はいくらなんでも高すぎると思うんですけど、何か根拠はあるのでしょうか。

ちなみに細かいことですが、少なくとも堺において、100文の「さし(緡)」に銭は100枚ないと思います。たぶん97枚でしょうかね(「省百」による)。また、「緡銭」は「さしぜに」と読んで間違いとまでは思いませんが、『日葡辞書』では「緡」を「びん」と読んでいるので、「びんせん」と読む方が正しそうです。

もう一つ、NHK教育のETV特集でやっていた「シリーズ日本と朝鮮半島2000年・第7回 東シナ海の光と影~倭寇の実像を探る~」を見ました。次々と登場する専門家の方々はお会いしたことのある方ばかりで、ニヤニヤしながら見てました。ユンソナと会話できて羨ましいなあと、くだらないことを思いつつ(笑)。

タイトルの通りテーマは倭寇だったわけですが、中世史では最もナイーブなテーマにもかかわらず、その核心にかなり踏み込んでいたので好感を持てました。私はまだ韓国に行ったことがないのですが、映像を見ていて、やっぱり一度は現地に行ってみたいものだ、と思ったりしました。はてさて、いつになるやら。

このシリーズをやっていたのを今まで知らなかったのですが、前回は蒙古襲来だったんですね。これも見たかったなあ。次回は秀吉絡みとのことで、また微妙なテーマですが、踏み込んだ内容になっていることを期待して待ちたいと思います。うっかり見逃してしまわないように気をつけないといけませんが。

一つ言うならば、あえてそうしているのでしょうけれども、朝鮮(韓国)側の人名がすべて片仮名表記のみになっていたのは、少し配慮していただけませんでしょうかねえ(なぜか世宗だけは平仮名でフリガナをふってましたが)。漢字を併記していただくとありがたいです。「イ・ソンゲ」って言われてすぐに李成桂だとわかる日本人は、そんなに多くはないように思うんですが。

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コメント

ゲストとしてスタジオに来ていた韓国人研究者の方が、
「倭寇には朝鮮人も含まれていた」という指摘に対して、
何の根拠も無く「そういう人たちは日本人の倭寇に拉致・強制されて、仕方なく参加していたのだと思う」とおっしゃったのには驚きました。


もっとも「倭寇は100%日本人」と言わないだけ 、マシなのかもしれませんが・・・


韓国の歴史研究はあまりにもナショナリズムの影響を受けすぎていて、中世史研究においてさえ国民国家の概念でムリヤリ捉えようとするので、話が噛み合わなくて困ります。彼等は「マージナル・マン」という考え方を、どうあっても理解してくれません。

>御座候さん
結局のところ、そこが核心ですね。
この問題を考える上では、「日本人」とか「朝鮮人」とかという概念を相対化すべしというMさんのコメントが、お互い通じるようになるといいんですが。

濱中昇といった日本人研究者の中にも村井氏を批判する人がいます。また、中国の日本史研究者の沈仁安氏も村井氏を批判してますね。村井氏の考え方が日本側の総意というわけではないようです。
また、村井氏の研究成果を恣意的に用いる人もいるようです。その一例として扶桑社の歴史教科書が日韓歴史共通教材の中で批判されていました。つくる会の教科書の記述は、倭寇に占める日本人の比率を低くみなすために村井氏の地域理論を利用したうえで「日本人」・「朝鮮人」・「中国人」と国籍を強調するやり口で、「見事」に利用しているそうです。

>mumumuさん
コメントありがとうございます。
研究者の属する「国籍」に基づいて批評をすることも、結果的にナショナリズムに取り込まれてしまうわけですね。それではナンセンスなので、注意せねばなりません。

「つくる会」による「利用」についても、予想された動向といえます(実際に「つくる会」以前にも、同様の言説が散見されたと記憶しています)。倭寇について冷静な議論をこれからも進める上では、いわゆる偏狭なナショナリズムに引き込まれることのないよう、気をつけることが大切だなと感じています。

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