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2011.04.19

【受贈】『織豊期王権論』

堀新『織豊期王権論』(校倉書房、2011年)受贈。ありがとうございます。

本書はまさにタイトル通りの内容で、これまで一貫して取り組まれた、織豊期における権力を正面から論じたものです。
とりわけ研究史的にも注目され続けてきた公武関係について、研究史への鋭い批判をもとに独自の見解を打ち出しておられます。そのキーワードが「公武結合王権」であることについては、既によく知られていることと思います。本書はおおむね「公武結合王権」論を構成する既発表論文からなっていますが、整理され一冊の論集となったことにより、より一層論旨が明確になったのではないでしょうか。
ただし、ご本人も認めておられる通り、「織豊期」とはいえ内容はほぼ織田政権期を対象としています。豊臣政権期に関する詳述は今後展開されるものと期待しております。

さて、本書でも指摘されている通り、特に中世史では「王権」という用語の使用については拒否感が強いといわれます(実際に私も積極的に使おうとは思いません)。それについて本書の立場は、王権論は「「天皇論」と同一ではない。史料上の「王」=天皇を政治史に組み込み、なおかつそれを律令制以来の「国制」や「伝統」などによって過大評価することなく、当時の人々の意識や歴史認識にもとづいた権力構造を解明したいという問題関心からのものである」(p.47-48)としています。そのため夢譚なども駆使しながら、武家政権と天皇との関係について、単なる対立・協調の二者択一的な議論とは一線を画する形で分析が進められています。

本書のまったくの新稿は序論と終章(と「あとがき」)のみのようですが、とりわけ序論は圧巻。戦前のものから当該期の研究がわかりやすく整理され、問題点を炙り出しています。織豊期を対象とした研究史に限定されてはいますが、まさに天皇をめぐる史学史全体の諸問題がほとんど織り込まれており、大いに参考になりました。織豊期を専門とはしない方にも是非一読してもらいたいところです。

専門書ということもあり、内容が高度であるばかりか値段も張るのですが、人気が冷めやらないこの時代に関する研究の到達点として、専門家のみならず一般の方にも是非読破にチャレンジしてもらいたい一冊です。きっと、人口に膾炙する織田信長のイメージがいかに虚構に満ちているかがよくわかるのではないかと思います(笑)。

4751742906織豊期王権論 (歴史科学叢書)
堀 新
校倉書房 2011-03

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コメント

堀さん、あなたのブログにコメントを書こうと思っていたのですが、こちらの情報がもれていたので、言わせてもらうことにしました。要は織豊政権の中でどのように自分が帝位についたのかという意義とどのように自分の帝位に対する方法(と素人としてはですが)どうしてその方法を取ったのかってとこですよね、といってもあなたのことだから、結構頑固にいいそうですよね。と、あと王権とどのようにしてそれを護ったかって点でしょうか。としてもあなたのごりおしみたいのっだたら(信長とかも)結構おっかないですね。

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