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2011.10.07

【受贈】『比叡山と室町幕府』

三枝暁子『比叡山と室町幕府―寺社と武家の京都支配』(東京大学出版会、2011年)受贈。ありがとうございます。
本書の主題は書名の通りなのですが、中世後期を中心として、比叡山やその末社である祇園社・北野社による都市支配について分析したものです。そして、このテーマでは当然ながら京都に置かれた幕府との関係がどのように推移していったかが重要であり、その様相を明らかにすることが本書の主眼ということになります。

比叡山の存在は、寺院としての意義のみならず、中世史を研究する上で政治史や経済史などあらゆる分野において重要であることは言うまでもありません。とはいえ織田信長の焼き討ちなどの歴史もあって必ずしも史料が豊富に遺されているわけではないのが悩みの種といえます。そこで本書では比較的史料が多く遺されている末社の祇園社や北野社に注目して分析が進められています。

そのなかで個人的には、近年分析が少なくなった被差別民(犬神人・非人など)の研究が所載されていることは重要だと思っています。被差別民に代表される社会の暗部とでもいいますか、大きなひずみ部分に焦点を当てることも、歴史学としては重要な使命だと思うのですが、中世については史料が少ないこともあって研究は多くないのが現状です。是非とも広く読まれて欲しいなと思います。

そして、私も企画側として関わった歴研大会報告による論考が大幅に加筆されています。当日は「「公方」の都の成立」という結論部分に対する議論が活発になるのを私は期待していたんですが、それほど大きな反響が得られませんでした。本書において改めて本格的な論考としてこのテーゼが提出されたことで、どのような反響があるか注目したいところです。(誤解を招かないよう強調しておきますが、もちろん私がこの語を考案したのではなく、すべて著者である三枝さんのオリジナリティに属するものです。)

まだ必ずしも読みこなせていませんが、単なる中世後期の寺社の分析に留まらず、政治史あるいは都市史にも積極的に踏み込んで構築された内容となっており、読み応えは十分だと思います。とりわけ室町期の研究がさらに活性化する起爆剤となることを期待いたします(なんか他人事のようですが(笑))。

4130262297比叡山と室町幕府―寺社と武家の京都支配
三枝 暁子
東京大学出版会 2011-09-12

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