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2011.12.12

【受贈】『贈与の歴史学』

桜井英治『贈与の歴史学―儀礼と経済のあいだ』(中公新書2139、中央公論新社、2011年)受贈。ありがとうございます。

桜井さんが長年取り組んでこられた、室町期の贈与にまつわる儀礼と経済との関係について、新しい知見も交えられながら平易に解説しておられます。とはいえ、さすがと思わせる鋭い指摘も多くちりばめられていて、読み応えのある一冊になっています。

それこそ当時の記録類を見た人ならば、毎日のように記される贈答記事にうんざりしたことのあることが多いと思うのですが(笑)、そのありきたりな贈答記事から興味深い事実を次々と明らかにしています。過去に論文などの形で取り上げられた事例も多いのですが、一冊としてまとめられるに当たって問題関心もクリアになっていて、改めて贈与の持つ「コスモロジー」について勉強になりました。


個人的な事情に引き付けていえば、確かに贈答という名目での遣り取りをすべて「儀礼」として処理していいのかどうか、貨幣の贈答記事の処理に悩んでいる身としては、改めて考えさせられることになりました。史料上では「礼」とされる日常的な金銭の遣り取りの中には、よく見るとなんらかの対価としてなされているものもあります。もっともそれを単純に「売買(経済活動)」とするにも躊躇するものもあり、区別が難儀なところです。
まあ実質的にはなんらかの対価としてなされる贈答というものは、現代の我々の身の回りにもないわけでもないですが、そういうのが果たして好意的な贈答(儀礼)のか、(半)強制的な事実上の「税」なのか、はたまた別の形で表現されるべきものなのか。私自身はまだしばらく悩みそうです(笑)。

4121021398贈与の歴史学 儀礼と経済のあいだ (中公新書)
桜井 英治
中央公論新社 2011-11-24

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