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2014.01.17

【受贈】『室町期大名権力論』

藤井崇『室町期大名権力論』(中世史選書14、同成社、2013年)受贈。ありがとうございます。

「室町期大名権力」という言葉は著者が提唱するものですが、それがいかなる権力であるのか、従来の当該期の大名権力に対するイメージとはどの点で異なるのか、が本書の最も大きなテーマなのではないかと思います。
そこで念頭に置いているのは当然ながら「室町幕府―守護体制論」で、序章にもある通り、この理論の批判が主眼となっています。そこで対象とするのは大内氏であり、南北朝期から応仁・文明の乱後までの時期について緻密な実証分析を進められます。
その上で、大内氏が鎌倉・室町幕府御家人制を模倣しながらも、それは大内氏が「室町幕府吏僚」としての限界を示すのではない、とします(226ページ)。終章では分国支配に守護職が不可欠だったわけではないとし、「守護」を強調するのではなく室町期独自の広域的支配を行う地域権力という性格を重視して「室町期大名権力」と呼ぶのがふさわしい、としています。

この分野は近年活発に議論されているところでもあり、それに一石を投ずることが期待されます。ただ、「室町期大名」という用語の基礎になった概念として「大名領国制」論が挙げられています。その善悪はともかくとして、主に戦国期の大名権力を対象とした概念を室町期のそれに適用することについては、より慎重な議論があるように思えます。そもそも「大名領国制」は室町期までの大名権力(「守護大名」)とは異なる権力構造を有するという議論から出発していると理解しているので(間違っていたらすみません)、この点についてどのように説明がされるのか、聞いてみたいところです。

あと、これだけ緻密な分析をしているだけに、索引がないのは非常に惜しいところですね。
ともかくも、ドクターの同期の上梓を喜びたいところです。あとがきにあるように、この分野の研究ももちろん深めていくことを期待する一方、今でも荘園制への「復帰」もまた待ち望んでいます(笑)。

4886216501室町期大名権力論 (同成社中世史選書)
藤井 崇
同成社 2013-12-10

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