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2015.07.13

【受贈】『戦国時代戦争経済論』

久保健一郎『戦国時代戦争経済論』(校倉書房、2015年)受贈。ありがとうございます。本書はタイトルにもある通り、戦国期の「戦争経済」をキーワードとして、戦乱下の社会において特徴的に現れる「経済」的事象について、その意義を検討しています。

具体的には、「兵粮」と「徳政」に大別して議論しているものと理解しました。兵粮については、冒頭でも指摘される通り正面からその徴発や運搬といった運用全般に関する分析があまり進んでいるとはいえず、それを受けて本書では主に関東の大名を事例として具体的に分析されており、大いに勉強になりました。

私も経済史を勉強する端くれとして、戦国期の兵粮の問題は当時の日本経済においても無視できない意味を持っていることは、以前から考えてはいたのですが、いざどのように考察するかとした時、手を拱いていたのが正直なところです。本書の分析に学び、特に16世紀後半に米が貨幣史的にも社会史的にもクローズアップされる背景について、私なりに考えていきたいと思います。

ところで読んでいて気になったのは、北条氏の事例で大名から兵粮を支給する際、銭建てから米建てに換算して支給している事例があるのですが、どうもその比率は銭1貫文=米1石で固定していたように見受けられます。つまりこれは実勢相場とはかけ離れた固定相場で換算して支給していたことが明らかなわけですが、それがどのような意味(経済的にというより政策的に)があるのか気になりました。

徳政については、割符の議論と同様の印象でして、かなり精緻でなかなか立ち入りがたいというのが読後感だったのですが、個人的には筆者も示唆するように、基本的には新たな負担を強いる対価として権力側が実行する(場当たり的な)宥免策としての性格がやはり強いのではないかと思いました(すべてではないのは当然ですが)。この点何の根拠も挙げられないので、単なる印象論ですが…。

ついでながら、最後に触れておられた撰銭関連の史料については、知りませんでした。北条氏の貨幣政策として有名な「永楽銭」重視政策がありますけれども、この「永楽銭」が永楽通宝を指すであろうことは間違いないことが、この史料を読んで確信できました。実は、ほんとは永楽通宝ではないかもしれないという可能性も浮かんでいたのですが、その疑念を払拭できました。

4751746200戦国時代戦争経済論 (歴史科学叢書)
久保 健一郎
校倉書房 2015-05

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