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2015.12.23

【受贈】『一揆の原理』

呉座勇一『一揆の原理』(ちくま学芸文庫、筑摩書房、2015年)受贈。ありがとうございます。三年前に刊行された単行本の文庫版ですが、前著にはあった副題はカットされたんですね。前著はすでに読んでおり、感想を書いたつもりだったのですが、今確認したら書いていませんでした。

日本中世史には長年注目されてきた事象・事件がありますが、「一揆」はその一つといえるでしょう。近世の一揆とはまた別に、中世のそれは戦後歴史学の中で重視された階級社会における民衆闘争(いわば「下克上」の一環として理解される現象)として位置づけられてきました。もちろんそれは戦後社会における社会運動の理想と密接なものであったことは、よく知られているところです。

本書はこの戦後歴史学によって定着した一揆に対する理解を批判的に検討し、むしろ「人のつながり」の中世的なあり方として表れたものだったとしています。その上で、数々の一揆の実態が取り上げられていきます。

一方、本書の特徴の一つは、現代社会の諸現象との関係と比較検討することです。とりわけ近年発達したSNSに注目しています。これは前著においても同様であり、実は私自身は時事ネタをあまり入れない方がいいのではないかと思っていたのですが(編集者も同様の感想を持ったらしい(笑))、文庫版のあとがきで著者の意図が語られたことによって、その意味づけは理解できました。

中世でいう「契約」あるいは「縁」といった、一揆にまつわる人間同士の関係(「つながり」)をどのような理念型として捉えるべきか(現代的な感覚とは同一視できないであろう)、これまた歴史学の重要なテーマの一つだと思いますが、なお考えさせられます。

4480096973一揆の原理 (学芸文庫)
呉座 勇一
筑摩書房 2015-12-09

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