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2016年3月

2016.03.31

年度末につき

早くも年度末となりました。
今年度は形にできたものはなかったのですが、これから出る予定の原稿をいくつか書いたので、まあぼちぼちとといったところでしょうか。
なんといっても5月に大イベントを抱えているので、年度替わりといっても大した実感はありませんが。

私の環境自体は、新年度も変わりません。
新年度も引き続き宜しくお願いします。

2016.03.08

【受贈】『戦国期の地域権力と惣国一揆』

長谷川裕子『戦国期の地域権力と惣国一揆』(中世史研究叢書28、岩田書院、2016年)受贈。ありがとうございます。

本書はタイトルにある通り、「地域権力」と「惣国一揆」に注目して、戦国期社会の特質を解明しようとするものですが、なかでも中世から近世への移行期における社会動向の連続性に注目して分析が進められています。
序章がなかなか刺戟的ですが、そこでは「地域権力」(主に戦国大名)や「惣国一揆」は村落との関係では領主権力として本質的には共通する性格を有しているとしており、その核となるのが勧農や紛争調停、融通などに見られる「生存維持」機能としての役割だと強調します。

かかる諸権力は、基本的にすべて領主として把握されてきたことは言うまでもないことです。またその領主の内実となると、かつての領主制論のようにいわば搾取の主体と捉えるものであり、それがどのように具体化したかや、はたまたそもそもどこに権原があったのかという議論がされてきた…と一応は整理できましょうか。
しかし本書はそのような視点を批判し、とりわけ中間層として表れる侍や「土豪」(このタームには著者の独自の定義がある点に注意)は、これまでの理解のように単純に領主という範疇に収まらない様々な性格を有することに注意を促しています。(つまり被支配の側にもなっていたということなど。)

個人的には、彼らのような中間層が社会的身分として存在しているという指摘が重要かと思います。すなわち、兵農分離論で議論されるような制度的身分とは異なり、地域の実情に合わせて生じた階層である、ということになるでしょうか。それゆえ兵農分離論に代表されるような国家論や制度論との相性は悪くなるのですが(笑)、地域社会の多様な在り方を見る際には、彼らのような存在に注目することが有効な分析手法であることを知らせてくれます。

ただ、そうなるとむしろ、日本列島の地域的多様性に応じて地域ごとに様々な異なる社会的身分を生み出したとも言えるのであり、そうであるならば、彼ら中間層をどこまで列島規模で理論上において統一的に把握できるのか、という課題になるとかなり困難さがあるようにも感じます。つまり「地域」の数だけ定義が存在する可能性も極端に言えばあり得る。なので、どのように理念型を構築するのかが、やはり長年の課題でもあり、今後の課題でもあるのだろうなあ…と思ったりもしました。
なお、あとがきについては、ここではノーコメント(笑)。

4866029412戦国期の地域権力と惣国一揆 (中世史研究叢書)
長谷川 裕子
岩田書院 2016-02

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