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2016年10月

2016.10.07

【受贈】『通貨の日本史』

高木久史『通貨の日本史―無文銀銭、富本銭から電子マネーまで』(中公新書2389、中央公論新社、2016年)受贈。ありがとうございます。

私が書いたわけではないのですが(笑)、ついに、というか、やっと出たというのが率直な感想です。この20年ほどで前近代日本の貨幣流通史研究は急速に進展したものの、それを一般向けの形で概説的にまとめた書籍は今までありませんでした。
それが新書の形で通史としてまとまったことは、私にとってもたいへん喜ばしいことです。

副題にあるように、日本初と思われる金属貨幣の無文銀銭から説き起こし、20世紀末の飛鳥池遺跡の発掘で沸いた富本銭などの古代貨幣の議論や、特に研究が進んだ中世貨幣の実態についてもわかりやすく解説されています。そして近世以降は、経済政策や市場経済との関わりから貨幣のあり方をわかりやすく説明されていて、経済史の概説書としても有用ではないかと思います。

一方、率直な感想なのですが、通史を新書で一冊にまとめるのはかなり難しかっただろうなあと感じたりもしました。特に中世については、もっと書きたいことがあったのではないかと勝手に想像しています。

なお、余計なことですが、中近世移行期に登場する「永楽銭」について、永楽通宝そのものとする今までの理解について私は疑問に感じています。もっとも、それについてはいくつかの論考で触れたことはありますが、当然ながらまだ仮説のレベルに留まるものです。それゆえ、「永楽銭」については本書の理解を通説として理解しておくべきでしょう。ただ、私自身はこの問題について検討を進めていきたいと思っています。

私にも機会があるかはわかりませんが、本書に学びつつ、違った視点から概説書が書けるよう精進していきたいと思います。

4121023897通貨の日本史 - 無文銀銭、富本銭から電子マネーまで (中公新書)
高木 久史
中央公論新社 2016-08-18

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