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2016.12.12

【受贈】『応仁の乱』

呉座勇一『応仁の乱―戦国時代を生んだ大乱』(中公新書2401、中央公論新社、2016年)受贈。ありがとうございます。ドタバタしていて、読み終えるのに時間がかかってしまいました。すみません。すでに本書は話題になっており、ここで詳しく紹介するのも屋上屋を架すようなものですが、少々の感想も含めたご紹介をば。

本書の白眉は、『経覚私要抄』と『大乗院寺社雑事記』を中心とした記録類から説き起こすというスタイルで、大和の動向から応仁の乱の顛末を描写しているところですね。この時期の京都の人間が遺した記録類も少なくないものの、実のところ政治的な叙述は上記の奈良で書かれた記録には劣るというのが率直な印象です。その点で、これらの両史料に目を付けたのは卓見というべきでしょう。

特に尋尊が記した『大乗院』は有名な史料ですが、奈良で書かれたこともあって、応仁の乱をめぐる顛末については、所詮は噂話にすぎないとしてあまり重視されてこなかった嫌いがあります。十分な検証を経た上で、本書はこのような評価を排して積極的に記事を参照しているところが特徴といえます(本書で多く紹介される大和の動向や各地の興福寺領荘園をめぐる情勢は尋尊自らが当事者ではあるので、これらの事例は自ずと信憑性が高いわけですが)。

応仁の乱そのものの戦況は、通説ではかなり複雑な描き方をされてきたわけですが、これは後世の軍記物に依存したストーリーであり、実際は多くの研究によって否定されています(今では、高校日本史でもかつてのような図式で説明されていないのではないでしょうか)。しかし、なかなかそれが一般には伝わっていないのがもどかしいところでした。本書はできる限り最新の研究を踏まえて叙述されており、応仁の乱をめぐる事実認識が世間的にもアップデートされることを期待したいところです。

ただ、内容が充実していることと諸刃の剣とはいえるでしょうが、一般向けとしては少々難解かなあという気もします。いや、版を重ねているので、それは杞憂なのでしょうね。

412102401X応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書)
呉座 勇一
中央公論新社 2016-10-19

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