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2017.12.18

【受贈】『近世の開幕と貨幣統合』

高木久史『近世の開幕と貨幣統合―三貨制度への道程』(思文閣出版、2017年)受贈。ありがとうございます。

専門書としては、前著を発刊されて以後の研究を中心にまとめられていて、主に西日本における16~17世紀にかけての貨幣流通の実態の分析が詳細になされています。当該研究は(私を含めて)集中的に取り組まれてきたものの、まだまだ事実関係で明らかでない点が多いわけですが、本書は新しい事実を次々と明らかにしており、研究段階をさらに進めた成果になっていま
す。
このほか、近世において発達する札≒紙幣の登場についても検討が深められており、副題にある「三貨制度の道程」のみならず、紙幣が発達する経緯についても押さえられている点が特筆されるでしょうか。

新しい事実発掘については、特に17世紀前半はまだまだ遅れている感がするわけですが、その中で、佐賀藩の貨幣鋳造の事実を取り上げられている点は興味津々でした。個人的には、「やはり九州ではほかにもあったか」といった感がします。東日本でも銭の独自鋳造の形跡はあるものの(永楽銭の枝銭出土の事実など)、やはり西日本、特に九州での鋳造が顕著だったとみられることが、佐賀の事例でもより明確化したような気がします。

自分の専門に最も近い内容であり、このほか興味深い論点はたくさんありますが、おそらくそれについて言及する機会が後にありそうなので、ここではこれくらいにしておきます。一般向けではないですが、日本の中近世移行期貨幣史研究の最新成果を余すところなく織り込まれた内容になっているので、多くの人にチャレンジしてもらえるといいなと思います。

4784219021近世の開幕と貨幣統合
高木 久史
思文閣出版 2017-08-10

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