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2018年1月

2018.01.28

【受贈】『兵農分離はあったのか』

平井上総『兵農分離はあったのか』(平凡社、2017年)受贈。ありがとうございます。

内容はタイトルそのものずばりですが、戦後歴史学の最大のテーマの一つである「兵農分離」の実像について、先行研究や史料を駆使しながら再検証を行っています。

結論は読んでのお楽しみというか、ある程度想像はできるとは思いますが、とはいえ単に「兵農分離はなかった」ということにはなっていません。読後の感想としては、私は分析と結論にほぼ同感といったところ。

兵農分離は、戦後歴史学において(近世史の側から)強調された中世と近世の断絶の象徴として強調されたキーワードだったわけですが、それは当時におけるグランドセオリー(唯物史観)との関わりにおいていわば観念的にクローズアップされたもので、必ずしも実像を慎重に判断したものではありませんでした。もちろんその批判は主に中世史の側からすぐさま呈示され、長らく論争になってきた経緯があることはよく知られています、というか、日本史学を勉強すると必ず知る話でしょう。

本書はそれらの批判について丁寧に整理した上で、観念的な兵農分離論を批判する論旨となっており、史料の引用も多いですが現代語訳もあって読みやすくなっています。この後しばらく、本書が議論の到達点として参照されるべきものと思います。

なお、日本経済史については、時々愚痴を言っているように(笑)、いまなお事実上の歴史のスタートが「太閤検地」になっています。これまた兵農分離と同様の問題を抱えているわけですが、私にはまだ力無く、なかなか変化が起きませんけれども、本書に勇気づけられて地道に頑張っていきたいと思いました。

4582477348兵農分離はあったのか (中世から近世へ)
平井 上総
平凡社 2017-09-27

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2018.01.13

【受贈】『鎌倉を読み解く』

秋山哲雄『鎌倉を読み解く―中世都市の内と外』(勉誠出版、2017年)受贈。ありがとうございます。
内容は鎌倉時代における鎌倉の都市としての性格を論じたもので、論文集のため史料を引用しながら論じる専門的なものとなっていますが、詳しく説明がされていて、専門家でなくとも読みこなせるのではないかと思います。

鎌倉幕府のお膝元としての鎌倉を論じるものであるため、当時の鎌倉の都市空間の在り方は政治状況との関わりが当然ながら濃厚であるため、単なる都市史にとどまらず、鎌倉時代の政治・社会・宗教などと深く関わる内容になっており、大いに示唆を得ることができました。

ただ、やはり都市鎌倉を「読み解く」という主題にあるように、鎌倉の都市としての構造が考古学・人類学などの様々な分野の成果を採り入れながら緻密に分析されていて、鎌倉の歴史を知る上で重要な一冊になるだろうと思いました。

鎌倉は歴史都市として多くの観光客が訪れていますが、一般的な観光地(鶴岡八幡宮など)に飽き足らないコアな町歩きをしてみたい場合には、本書を片手に歩いてみると、違った側面を知ることができるように思います。最近では永福寺の復元が進んでいるようですが、本書で永福寺建立の経緯や伽藍の構成について、通説を詳しく検証しており、現地でそれを想像しながら見てみたいものです。(私は復元してからは行っていないもので…。)

鎌倉にはしばらく行っていませんが、本書を一読して、今一度歩いてみたいと思いました。
個人的な関わりでいえば、2009年に報告をお願いした歴研大会のことを懐かしく思い出しました。

4585221948鎌倉を読み解く―中世都市の内と外
秋山 哲雄
勉誠出版 2017-10-31

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2018.01.01

2018年謹賀新年

なんだかあっという間に新年となりました。
本年も宜しくお願いいたします。
毎年書いているような気がしますが、このブログもすっかり先細りの体たらくになってしまいました。そろそろ潮時かなと思わないでもないのですが、もうしばらく続けたいと思います。
史跡ネタは、実は溜まる一方なのですが、全然更新できていません…というか、正直に言えば、ここで紹介する気力が今はほとんどありません。いつかは再開したいと思いますが、もし期待している方がおられましたら、現状について申し訳ないと思います。

さて、昨年は細々ながらも研究面では次のような成果がありました。

・二冊目の単著(論文集)刊行。
・リスボンでの研究会報告(報告は英語でなんとか頑張りましたが、討論は日本語…)
・論考をいくつか発表(しかし出たのは上半期のみ)

研究面では、今年はかなり深刻な事態になりそうで、今から不安いっぱいです。
研究生活でもピークが過ぎたと言われないように、がんばりたいところです(ただ、粗製濫造しても意味はないのですが)。

ともかくも、健康第一でまいりましょう。
みなさんにとってもよい一年となりますようお祈りいたします。

ちなみに、先月は菅浦(左写真、3回目)と熊本(n回目)へ行ってきました。
熊本へは震災後初めて行ったのですが、熊本城の現状を目の当たりにしてきました(右写真)。私にできることはほとんどありませんが、復興が着実に進むことを願っています。

SugauraKumamoto


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