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2020.06.08

『戦国大名の経済学』を刊行します

17日に講談社現代新書『戦国大名の経済学』を刊行することになりました。

タイトルは「経済学」と付いていますが、経済学の理論について取り扱うわけではなく、戦国大名の収支を通して当時の経済について解説しようという趣旨です。
宣伝文にもありますが、本書では物の値段を具体的に紹介することがコンセプトの一つであったため、さしあたり史料を繰って見付けた事例を取り上げて紹介しています。しかし、これまで多くの研究が蓄積されている物価史研究に基づいた、厳密な物価の検証を行っているわけではありません。この点は物足りないと感じる方も多いだろうと思いますが、入門書としてご了解いただければと思います。

一般書として本を一冊書いたのは初めての経験で、それゆえ叙述に非常に苦労しまして、執筆開始からかなりの時間が掛かってしまいました。
多くの方に手に取っていただいて、戦国時代の経済について興味を持つ人が少しでも増えることを期待します。
宜しくお願いいたします。

2020.03.28

疫病騒動など

あれよあれよという間に世界的な問題になってしまいましたが、みなさんも油断せずどうぞご自愛ください。これから業界的には研究会シーズンなだけに、つらい判断を迫られる方々も少なくないことでしょう。ご心痛お察しします。

長らくこのブログを放置しておりまして、もし更新に期待しておられる方がおられましたら申し訳ありません。いくつか書籍の献本をいただいておりますが、事情により紹介を停止しております。悪しからずご了承ください。

さて、大変な状況ですが、年度更新の時期ということもあり(といいつつあまり関係ないですが)、おそらくこのブログの唯一の存在意義である研究会リンク集(左側にあるリンクをどうぞ)を更新しました。研究雑誌もオンライン化が進み、はや定着した段階では遅きに失していますが、オンライン化している雑誌へのリンクを張りました。
また、新たに紀要類へのオンラインジャーナルへのリンクも新設しました。こちらは適宜追加していきたいと思いますが、ご存じのものがあればお知らせ下さい(ただし、掲載の判断は私の一存といたしますので、ご理解ください)。

このリンク集も細々と続けておりますが、日本中世史に関する便利で詳細なリンク集やデータベースが別に存在していれば、私のリンク集はすぐに更新を終了しますので、それをご存じの方は是非お知らせください。なお、史料画像データベースへのリンク集はこちらをどうぞ

ところで、5月に著書を出します。ネットではもう情報が出ていますが、この件は後日また改めて…。

2020.01.05

謹賀新年2020

本年も宜しくお願いいたします。

このブログをすっかり放置してしまい、定期的に見に来てくださっている方には申し訳ありません。ネタが皆無なわけではないのですが、なかなか気が乗らずというか、色々と事情もありまして…としか申しようがありません。

すでに時間が経ってしまいましたが、昨年秋には『歴史学研究』にて中近世移行期の日本貨幣史に関する小特集に寄稿し、研究史整理を行いました。私が今の研究を志したきっかけは、まさに同誌で1998年に特集された中世貨幣史の諸論文に触れたからであり、原稿にも書いた通り、その前年である1997年に一橋で行われた歴研大会でした。私にとって初めて行った歴研大会で、今でも(当日の丁々発止な遣り取りとともに(笑))思い出となっています。上記原稿は、当時のことも思いながら書きました。あれから20年が経って、私には果たして成長したでしょうか…。

なお、引き続き多くの方々から御高著を拝領しておりますが、御礼も紹介もできずにまことに申し訳ありません。今後の私自身の糧といたしたく、ありがたく拝読いたします。細々と続けていた紹介はまだしばらくできませんが、しばらくしたら再開したいと思います。

今年はなかなか学会に出かける機会もなさそうなのですが、なるべく耳学問もできるよう頑張ります。とりあえずは、目の前の原稿を早く終わらせたい…。

2019.10.29

上海にて喋る

先週末、上海の復旦大学で開催された研究会(フォーラム)に招待されたので、報告してきました。

テーマは、「世界史の中の東アジア」、いずこにおいてもグローバルヒストリーが全盛といったところでしょうか。

報告時間は20分しかなかったので、日本中世の貨幣史を中国との関係から概略的に話しました。

私は中国語はまったくできない(勉強したこともない)ため、報告からコミュニケーションから日本語一辺倒だったのですが、その結果、語学ができないことによるデメリットを終始痛感することになりました。ほかの報告(中国語)も日本に関する内容がほとんどだったのですが(近世から近代の思想史が多かった)、中国語ができない私は議論どころか報告を理解することもできず、なんとももどかしい思いをすることになりました。

この歳では、これから勉強しても「使いこなす」レベルに到達することはもう不可能でしょうけれども、それでも中国語をちゃんと勉強した方がいいだろうと思うようになりました。今後の研究動向を考えても、中国語の論文にアクセスできることは必須になりそうだし…。でもまあ、その前に英語がいかんとも。

 

2019.04.26

「みらい翻訳」を使ってみた

オンラインの翻訳サービスである「みらい翻訳」を試しに使ってみました。

私がかつて発表した原稿を翻訳にかけてみたところ、次の通りでした。

「戦国期の関東において永楽銭が特別な価値を与えられるようになったと見られる点(本稿ではこれを精銭化と呼ぶ)については、古くから認識されていた。従来は後北条氏の銭貨流通政策によって創出されたものと捉えられ、その背景に、太平洋海運による伊勢商人の深い関与も想定されている。」(拙稿「16世紀後半関東の「永楽」と永楽銭」より)

"It has long been recognized that Eiraku-sen coins were given special value in the Kanto region during the Sengoku period (This is called Seisenka in this article.). Traditionally, it was considered to have been created by the Gohojo clan's policies on currency exchange, and it is also assumed that Ise shonin (merchants in Ise) were deeply involved in the Pacific Ocean Shipping.”

これはすごい。私の英語力では、特殊用語を除けばほとんど書き直せる所がない。
文章を英語で書くことは必要なくなる時代が、もうすぐそこまで来ている気がしました。コミュニケーションのために英語を学ぶことはこれからももちろん必要なのですが。

2019.03.04

オックスブリッジ営業

Img_4074もう一ヶ月が経とうとしていますが、先月上旬にイギリスへ行って参りました。

実は、元々はいつもの?旅行のつもりだったのですが、ちょうど期間中にオックスフォードで開催される予定の「MEDIEVAL ZOMIAS: STATELESS SPACES IN THE GLOBAL MIDDLE AGES」というワークショップで日本中世史の立場から情報提供をしてほしいとの依頼をいただき、急遽報告をすることになりました。
Zomiaというタームは、日本語では「脱国家」と呼ばれるように、国民国家支配を受けない、あるいはそれを拒否する人々のことで、元々は19世紀後半から20世紀にかけて、中国南西部から東南アジア山間部にかけて分布する人々の動向に注目したものでした。
…といっても、お恥ずかしながら、ドメスティック日本史に浸かった私はまったくの不勉強で、概念を一から勉強するような体たらくでした。日本中世史で類似のネタはないかと色々と考え、山ではないが海なら行けるかもということで、倭寇(前期倭寇)をテーマに喋ることにしました。

当日は私の情けない英語力のせいで散々でしたが、親切なホストや聴衆のみなさんには意図を酌んで下さったようで、安堵しました。このトシではもう絶望的ですが、もう少し英語を磨きたいところです…。


Img_4087その後は、元々予定していたケンブリッジへ。バスで4時間…。現地では旧友が現在滞在しており、期間中はいろんな所へ案内していただくなど、とてもお世話になりました。こじんまりとした街でしたが、楽しく過ごすことができました。

今回は慌ただしい旅程でしたが、またのんびりとイギリス各地をまわってみたいものです。暖かい時期に。

ゾミア―― 脱国家の世界史
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2018.01.01

2018年謹賀新年

なんだかあっという間に新年となりました。
本年も宜しくお願いいたします。
毎年書いているような気がしますが、このブログもすっかり先細りの体たらくになってしまいました。そろそろ潮時かなと思わないでもないのですが、もうしばらく続けたいと思います。
史跡ネタは、実は溜まる一方なのですが、全然更新できていません…というか、正直に言えば、ここで紹介する気力が今はほとんどありません。いつかは再開したいと思いますが、もし期待している方がおられましたら、現状について申し訳ないと思います。

さて、昨年は細々ながらも研究面では次のような成果がありました。

・二冊目の単著(論文集)刊行。
・リスボンでの研究会報告(報告は英語でなんとか頑張りましたが、討論は日本語…)
・論考をいくつか発表(しかし出たのは上半期のみ)

研究面では、今年はかなり深刻な事態になりそうで、今から不安いっぱいです。
研究生活でもピークが過ぎたと言われないように、がんばりたいところです(ただ、粗製濫造しても意味はないのですが)。

ともかくも、健康第一でまいりましょう。
みなさんにとってもよい一年となりますようお祈りいたします。

ちなみに、先月は菅浦(左写真、3回目)と熊本(n回目)へ行ってきました。
熊本へは震災後初めて行ったのですが、熊本城の現状を目の当たりにしてきました(右写真)。私にできることはほとんどありませんが、復興が着実に進むことを願っています。

SugauraKumamoto


2017.09.16

リスボンでの学会報告

Lisbon_1Lisbon_28月末から9月初めにかけて、EAJS(ヨーロッパ日本研究協会)の国際学会のため、リスボンへ行ってきました。応募したパネルが幸運にも採択されました。

報告は日本語でもokということで気軽な気持ちでいたのですが、諸々の事情により結果的に英語で報告することになり(討論は結局日本語にしてもらいましたが)、私の報告はしどろもどろに(笑)。とはいえ、聴衆のみなさんからは意を汲んだ質問をいただいて、少しほっとしました。私の語学力はまだまだ初心者のレベルで、忸怩たる思いです。

学会では様々なイベントも用意されており、この辺りは日本の学会とは違った雰囲気を体感できました(その分、参加費が高いのではありますが)。合間を縫ってリスボンやその周辺の史跡も巡見し、満足した“出張”になりました。

国際学会(英語)での報告はこれで2回目ですが、まだまだ修行が足りません。それとともに、そろそろ英語で原稿を書く必要があるだろうなあ(名刺代わりとして)と思うものの、それを可能とする実力を身につけるための努力はまだまだこれからです…。

それにしても、リスボンは素晴らしい所でした。ヨーロッパやアメリカなどからバカンスに訪れる人が多いのもわかります。晴れると暑いものの、湿度が低くて過ごしやすかったです。坂がきつくて歩き回ると結構疲れますが。

2017.04.10

寧波

Ningbo_1先月、寧波へ行ってきました。大学院時代のゼミのメンバーとの間でかねてより計画していた旅で、なかなか実現できずにいたのですが、やっと実現できて感慨ひとしお。しかも私は寧波は初めてだったので、やっと念願が叶った心境でした。
ただ、行ってみるとこのように完全に都市化しています。当然といえば当然なのですが。

Ningbo_6Ningbo_5日中交流の痕跡を探して廻ったわけですが、残念ながら実見してそれとわかるようなものは遺されていません。左写真の霊橋は、川に囲まれたかつての寧波へ入る唯一の橋だったもので、その手前にある川岸が、各地からの物資を荷揚げする場所だったとされています。
留学で訪れた道元の祈念碑が近くにありますが、工事エリアになっており近づけず。

右写真は、その近くの日本人が多く居留した地に建つ境清興法寺跡の石碑。この辺りが寧波の乱の勃発地と目されています。

Ningbo_2時間が限られていたので少しだけですが、舟山にも行きました。これは舟山のごく手前にある瀝港(烈港)に建つ「平倭碑」。この辺りは、双嶼へ移る前に王直が拠点とした場所で、その鎮圧を記念して建てられたものです。石碑には多くの碑文が刻まれていましたが、ガラスで反射してまともに写せそうにないので、接写は諦めました。

Ningbo_3Ningbo_4中世の日本から留学僧が訪れた著名な二つの寺院。左は阿育王寺の開山堂。かつて、重源が周防の木材を寄進して建てられたと伝わっているもので、今のものはそうではないかもしれませんが、中に入ってみると確かに様式は東大寺大仏殿に似ている気がしました(専門じゃないので自信はないですが)。

右は天童寺。栄西も訪れた寺院ですが、道元が修行した所として知られています。日本からの曹洞宗関係の訪問者が多いらしく、境内にはその記念の品々が展示されている場所もありました。

Hangzhou寧波の後は杭州へ。こちらも時間が十分ではなく、霊隠寺の石仏を見学したり南宋時代の都市の遺跡をちょっと見たりした程度でしたので、再訪したいところです(カメラの調子も悪くなったのが残念)。写真は世界遺産の西湖。天気がいまいちでしたが、かえって水墨画のような雰囲気になってよかったかもしれません。

2017.04.03

2017年度

光陰矢の如し。春休みもあっという間に終わり、新年度となりました。

私の環境は特に変わりませんが、いろいろな形で環境の変わる方々におかれましては、新たなる前途が拓けますことをお慶び申し上げます。

昨年度は著書を出すことができたものの、その後の研究の進捗は今ひとつで、そろそろ始動したいところです。ただ、今年度は新たに勤務先の近所の某大学で1コマ受け持つこととなり、前期は講義なのでその準備も進めねばなりません。専門の話が中心になるので楽しみではあるのですが、ペースをつかむまでしばらくドタバタしそうです。

また、夏には海外で報告をする予定になっています。日本語でも可のようですが、討論者の都合上、英語で報告をすることになるかもしれません。報告自体は新しいネタを準備するというより、これまでの研究のダイジェストのような話になるので、準備はそれほど難しくないものの(報告時間は20分しかないし)、やはり討論がなあ…。英語の勉強をがんばります。

さらに、秋には国内外の貨幣史研究者の前で喋ることになっており、交流が広がることはとても楽しみなのですが、報告自体は戦々恐々(笑)。こちらも内容はダイジェストで。

とまあ、近年は講演などのような仕事が徐々に増えてきましたが、過去の貯蓄で食っていけるほどの蓄積には程遠いですので、研究活動が疎かにならないよう気を引き締めたいと思います。

新年度も宜しくお願いします。

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