◎2 大学の設備
既に指摘したように日本史は人文科学というカテゴリーに分類され、それゆえ基本的には文学部に所属しているわけですが、言うまでもなく学問に取り組むためのツールはほぼ文献資料に絞られていると断言して良いでしょう。つまり、本がないと話になりません。
そこで気にしておきたいのは図書館の規模です。どんなに有名な大学であっても、図書館がお粗末な大学は本来敬遠すべきです。また、日本史関係の本が充実しているかどうかも、できれば調べておきたいところです。蔵書は多くても、分野にかなり偏りのある大学も散見されるので、出来る限り事前に調査しておくと良いでしょう。
ではどのように調べたら良いのか。これは受験生の段階ではなかなか難しいのも確かです。そこで、大学図書館の蔵書検索として周知されているwebcatで、日本史を学ぶためのごく基本的なツールをいくつか検索にかけてみました。(※注:ただし、webcatは必ずすべての大学のすべての蔵書が検索対象となっているわけではありません。)
まず『国史大辞典』(吉川弘文館)。日本史関係の辞書としては、最もポピュラーかつ基本的なものです。高校にも置いている所が少なくないのですが、実は置いていない大学もあります。この記事を書いた時点では772件ヒットしており、基本的に普通の大学ならば必ずどこかに置いてあると考えて良いでしょう。ここでヒットしなかったり、ヒットしても全巻揃っていない所は、日本史を学ぶ環境はゼロと考えて良いと思います。
次は『大日本史料』(東京大学出版会)。特に中世史を学ぶ際の基本史料集です。時代ごとに分かれていますが、例えば戦国時代に当たる第8編を検索してみると、ヒットは147件。随分減ります。置いていない所はダメというわけではありませんが、置いてある所の方が便利なのは確実です。
もう一つ、研究書の方はどうなのか。これは知っている本をいくつか試しに検索してみると良いかと思いますが、一例として池享『大名領国制の研究』(校倉書房、1995年)をかけてみました。この本を一例に選んだことについて、他意はありません(笑)。結果は105件。ヒットした所は、比較的専門の蔵書が充実しているように思います。
もちろん以上は一例ですし、時代や研究分野によって得意・不得意のある大学もあります。ただそこまで来るとなかなか外から判断するのは難しいですが…。ちなみにそういう温度差が生じる背景としては、その大学に所属する教員の得意分野が影響しているケースがあると思います。後に触れますが、所属している教員の専門分野も勘案しておけば、いざ大学に入って読みたい本が全然無いと途方に暮れる事態は防げるでしょう。
ちなみにこれは余談ですが、このご時世にあって未だオンラインで蔵書検索の出来ない大学は避けた方が良いと個人的に思います。そこらへんから、大学当局の図書館に対する意識が垣間見えるというものです。
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