記事検索

  • Googleによる全文検索

    ウェブ全体から検索
    サイト内検索
無料ブログはココログ

Tools

2017.10.13

【受贈】『信長研究の最前線2』

日本史史料研究会監修・渡邊大門編『信長研究の最前線2―まだまだ未解明な「革新者」の実像』(歴史新書y73、洋泉社、2017年)を、執筆者のKさんより受贈。ありがとうございます。

タイトルを見れば瞭然ですが、織田信長をめぐる近年の研究動向を一般向けに解説するもので、好評だったのでしょうか、第二弾として出されました。
前半は上洛以前の信長をめぐる情勢についての内容が多くなっています。史料的制約が大きく、上洛後に比べるとわからないことが多い時期ですが、その中で当時の信長をめぐる地域事情や、信長の行動の背景などについて詳しく解説されており、勉強になりました。

後半は、上洛後に構築した権力の在り方についてや、イエズス会宣教師、商人との関係などについて触れられたものが多くなっています。この辺りは私の関心に近いものも多く、興味深く拝読しました。中でも、『今井宗久書札留』に再び注目が集まっているのでしょうか、堺商人と信長との関係について、単なる経済的側面のみならず、当時の政治動向との関わりを重視する内容に関心を持ちました。

すべての内容を紹介できませんが、読み応えのある一冊となっています。初心者向けとは言えないかもしれませんが、信長に興味のある人に広く読まれることを期待します。

4800313066信長研究の最前線2 (歴史新書y)
日本史史料研究会監修・渡邊 大門編
洋泉社 2017-08-03

by G-Tools

2017.09.25

【受贈】『平安期の女性と政治文化』

服藤早苗編『平安期の女性と政治文化―宮廷・生活・ジェンダー』(明石書店、2017年)を、執筆者のNさんより受贈。ありがとうございます。

主に10世紀頃(一部は鎌倉時代)を中心に、宮廷の女性の政治的役割・文化との関わり・生活習慣に関わる事項などを論じた論集です。私は対象とする時代やテーマに全く疎く、これまでの研究史についてもほとんど知識がないため、掲載されている論考はいずれも新鮮さを感じながら読むことができました。
とはいえ、やはり素人にはなかなか難しいことも多く…。不勉強を痛感します。

本書ではじめに触れられる研究史を踏まえると、平安期になると徐々に男性重視の社会体制が構築され、女性の社会的地位が低下し固定化したと理解されているようですが、それでもなお、平安期には依然として女性の政治・社会・文化における役割が軽視できないものであることが、各論考において共通したモチーフになっているように読み取りました。

本書はかなり専門性の高い書籍ですが、価格の安さに驚きました。研究者のみならず、広く一般の多くの読者に手を取って貰うための決断でしょう。そうなることを期待します。

4750344818平安朝の女性と政治文化――宮廷・生活・ジェンダー
服藤 早苗編
明石書店 2017-03-30

by G-Tools

2017.09.09

【受贈】『琉球史料学の船出』

黒嶋敏・屋良健一郎編『琉球史料学の船出―いま、歴史情報の海へ』(勉誠出版、2017年)を、編者の黒嶋さんのほか、執筆者のHさん・Sさんの連名で受贈。ありがとうございます。

近年では化学分析も積極的に採り入れつつ、文書の形態や物質的側面からその背景を探る研究が深まっており、それによって新たな知見が得られるようになってきました。ただし琉球関係史料についての分析はまだ始まったばかりといえ、本書がその起爆剤になる研究ということになるのでしょう。

必ずしも琉球に直接関わらない論考もありますが、多くの発給文書自体のみならず、覚書などの記録類(二次史料)や、外交文書の綿密な分析などは、文書を扱う際の知見を多く与えてくれるものでした。私自身はむしろこの方面には疎いというか無頓着なので、自らを戒めたいところです。

示唆的な見解はいくつもあったのですが、黒嶋さんによる島津氏が発給した琉球渡海朱印状の分析の中で、島津氏が発給主体を組織(役職)ではなく個々の人格に求めようとしたとし(発給者の署名を要求したことから)、「国王や三司官という地位・組織によって文書を出している琉球と、当主や老中という個々の人格による俗人的(かわと注:属人的?)な支配関係を前提とする島津氏側(日本側)の、認識のズレを示すものとして興味深い」(322ページ)とする点は、私も興味深いところでした。

4585221751琉球史料学の船出―いま、歴史情報の海へ
黒嶋 敏・屋良 健一郎編
勉誠出版 2017-05-25

by G-Tools

2017.08.16

【受贈】『交換・権力・文化』

桜井英治『交換・権力・文化―ひとつの日本中世社会論』(みすず書房、2017年)受贈。ありがとうございます。

待望の論文集、というべきでしょうか。中世後期日本を中心とした贈与の社会的・経済的意義については、一般向けに新書がすでに刊行されていますが、本書はそのベースとなった論文集といってよいでしょうか。

特に室町期に発達した贈与慣行について、頻繁に用いられた折紙(贈与する金品の目録)の機能に注目した論考や、16世紀にかけての貨幣流通の動向など、以後の研究に大きな影響を与えた内容が多く含まれています。1570年代の「びた」に関する新稿もあり、興味深く拝読しました。

さて、簡略ながら、読後に二つの点で自らの関心に副って思うところがありました。

まず一つ。筆者も触れているように、15世紀に折紙の贈与が盛行した背景の一つに、現銭の調達の困難さがあったことが想定されています。この点について思い当たるのは、この時代は為政者周辺で空前の活況を呈した一方、経済の潤滑化に欠かせない貨幣(銭)の供給はむしろ頭打ちになったと考えられるため、特に京都周辺で銭不足が慢性化しつつあった可能性が考えられることです。そうであるならば、折紙が流行ったのは、かかる事情からも説明できるのではないかな…などと思ったりしました。

もう一つは、新稿の1570年代の「びた」について。ここで筆者は先行研究における先進性を再発見しています。この点は私も反省を含めて改めて勉強になりました。その上で近年の議論について考えるのは、結局「びた」というのははじめから低銭(元々価値の低い銭)であったとの見解が最近は有力になりつつある、という点です。
この点について思い返すと、想起されるのは、グレシャムの法則(「悪貨は良貨を駆逐する」)が当時の貨幣経済に作動したかどうかという議論が戦前にあったことです。これまでの研究史では、グレシャムの法則が作動しなかったとする立場が定説となっていましたが、「びた」が低銭=悪貨だとするならば、この問題を改めて問い直す必要があるのかもしれません。

後者は本書の内容とすぐさま関わる内容ではないのですが、本書を通じて、改めて研究への示唆を得られました。(実際にこういう論点を今後掘り下げるかはわかりませんが…。)

4622086115交換・権力・文化――ひとつの日本中世社会論
桜井 英治
みすず書房 2017-06-10

by G-Tools

2017.07.23

【受贈】『今川氏研究の最前線』

日本史史料研究会監修・大石泰史編『今川氏研究の最前線―ここまでわかった「東海の大大名」の実像』(歴史新書y71、洋泉社、2017年)を、執筆者のKさんより受贈。ありがとうございます。

今年の大河ドラマと深く関わる戦国大名今川氏をテーマとしたものであることは言うまでもないことですが、現時点での今川氏の研究成果について解説する内容となっています。

本書の冒頭にもあるように、今川氏は戦国大名としては滅亡した経緯がよく知られているため、どちらかというと地味というか、世間ではあまり注目されない一族であるような印象がします。
ところが、戦国大名研究においては、むしろ長らく戦国大名の典型の一つとして多くの研究成果が蓄積されてきました。中でも今川氏親が制定した「今川仮名目録」と、後に今川義元が追加した条々は、戦国大名によるいわゆる「分国法」の制定の代表例として著名ですし、その内容も極めて重要なものとして高く評価されてきました。

このほか、東海地域の戦国大名として君臨した歴史を持っているため、言うまでもなく織田信長や徳川家康、そして彼らの被官となる国衆たちなど、江戸時代にかけて領主として生き残った多くの一族の歴史にも大きな影響を与える大名でもありました。(その代表の一つが井伊氏なわけですが。)
そんな今川氏が大名としていったい何をしたのかについて、これまでの研究成果を踏まえながら、多岐にわたって具体的に説明が施されています。

ただ、率直に言うと、内容はかなり高度で、この時代に対するかなりの興味あるいは知識がないと、すべてを読みこなすことは難しいように思います。さしずめ日本中世史を専攻する学部生レベルといったところでしょうか。初めて興味を持った初学者クラスでは、歯が立たないかもしれません。もっとも、そのため読み応えは十分ですので、チャレンジする人がたくさん出て欲しいと思います。

4800312639今川氏研究の最前線 (歴史新書y)
日本史史料研究会監修・大石 泰史編
洋泉社 2017-06-02

by G-Tools

2017.07.14

【受贈】『織豊期研究の現在』

織豊期研究会編『織豊期研究の現在〈いま〉』(岩田書院、2017年)を、執筆者のMさんより受贈。ありがとうございます。

名古屋を中心に活動する織豊期研究会が発足して20年を記念して編集されたもので、元は記念のシンポジウムをベースとしています。私も当日は出席したので、当時の報告や議論が(断片的ではありますが)蘇ってきました。

織豊期という時代区分は今では一般的ですが、当会の活動がその認知の拡大に大きく寄与したといえるでしょうか。中世と近世の狭間にあり、そのため業界のニッチになりがちだった時代だったような印象がありましたけれども、今や活発な議論が交わされていて(私もその末席を汚していますが)、そこに果たした当会の役割の大きさを改めて認識します。

本書での議論も多彩で、織豊期研究の広がりを実感することができますが、長らく議論されてきた積年の課題の中には、いまだ決着をみない論点もあり、それも浮き彫りしている感もしました。私がそれに貢献できる自信はありませんが、本書より多くの示唆を得て自分なりにがんばっていきたいところです。

4866029951織豊期研究の現在(いま)
織豊期研究会編
岩田書院 2017-06-01

by G-Tools

2017.06.11

【受贈】『大日本史料』第十編之二十九

『大日本史料』第十編之二十九(東京大学史料編纂所、2017年)受贈。ありがとうございます。『大日本史料』をいただくのは初めてです(実は自分で買ったこともありませんが…)。

対象となるのは、天正3年(1575)3月から5月。織田信長の徳政や、今川氏真の上洛と信長の前での蹴鞠、そして武田勝頼の三河侵攻と鳥居強右衛門の処刑などの事件が含まれています。

徳政に関しては、抜粋ながら上賀茂神社の算用状が掲載されており、先日の某研究会で話題になった「中銭」が記載された史料もありました。このほか、個人的には、二条昭実に織田信長の養女さごが輿入れする記事で、村井貞勝とともに日乗が供奉していることが印象に残りました。

実のところ、政治史にはあまり詳しくはない方なので、史料を熟読して何か新しい発見ができればと思います。

4130904795大日本史料 第十編之二十九: 正親町天皇 天正三年三月―同年五月
東京大学史料編纂所
東京大学史料編纂所 2017-05-25

by G-Tools

2017.05.07

【受贈】『織田信長 不器用すぎた天下人』

金子拓『織田信長 不器用すぎた天下人』(河出書房新社、2017年)受贈。ありがとうございます。

織田信長やその政権に関する研究書や一般書を立て続けに刊行しておられますが、今回は信長の「外交」から内面に迫ろうとするものとなっています。
具体的には、家臣や同盟相手による「裏切り」の要因をつぶさに検証する内容となっています。そこで検討された結果については、私は説得力のあるものと感じました。

本書は決して簡単な内容ではないのですが、非常に読みやすくなっており、筆力を感じました。私もこれくらいわかりやすい文章を書けるとよいのですが…、精進が必要ですね。

本書を読んで個人的に印象に残ったのは、信長よりも徳川家康と武田信玄との関係でした。家康は若い頃から「食えない奴」だったんだなあ、と(笑)。そうでなければ「天下人」にはなれなかったのでしょう。
すでに読んだ人の間では、信長と上杉謙信との関係のたとえ話が話題になっているようですね(笑)。

4309227007織田信長 不器用すぎた天下人
金子 拓
河出書房新社 2017-04-22

by G-Tools

2017.03.22

【受贈】『さつま人国誌 戦国・近世編』3

桐野作人『さつま人国誌 戦国・近世編』3(南日本新聞社、2017年)受贈。ありがとうございます。

長年にわたって続けられている新聞での連載をまとめたもので、主に戦国期の島津氏を中心にまとめられています。私は島津氏や薩摩・大隅の戦国期の動向については全くの不勉強ですので、知らないことばかりで勉強になりました。元々は新聞に書かれていることもあり、とても読みやすいです。

戦国期の鹿児島の歴史を学ぶためのみならず、写真なども多く掲載されており、史跡ガイドとしても有用ではないかと思います。私は鹿児島県の史跡をあまり見ることができていないので、いずれ訪れる際には本書で事前に予習してから行きたいと思います。

4860742478さつま人国誌 戦国・近世編 3
桐野 作人
南日本新聞社 2017-03

by G-Tools

2017.03.08

単著『中近世日本の貨幣流通秩序』を刊行しました

このたび、二冊目の単著となる『中近世日本の貨幣流通秩序』(勉誠出版、2017年)を刊行いたしました。

前著を出してから約8年が過ぎ、その後に発表した論考が増えてきましたので、最近関心のあることも新たに書き加えながら一冊にまとめることにしました。幸い勤務先からも助成を得ることができましたので、刊行する運びとなった次第です。

とはいえ、前著もそうですが、それぞれの論考は元から一冊にまとめる構想に基づいて書いたものではなく、率直にいえば当時の関心や依頼内容に基づいて個別に書いたものなので、一冊にしてどれほどのまとまりがあるのかという批判はおそらくあるでしょう。ただ、いざ一冊にまとめてみると、それなりにストーリーが描けているようにも感じていますし(感じるだけかもしれませんが(笑))、今後の課題も浮かび上がってきたと思っています。

論文集という形での単著となると、おそらく次はもう当分ないと思います(あってもリタイアした頃でしょう(笑))。そういう意味では、私の人生にとっても転機となる一冊になりそうです。
ともあれ、これまでの成果をこのように形にすることができたことは、多くの方々のご助力があってのことです。まして二冊目を出すことができたのはこの上なく光栄なことで、お世話になった方々に改めて御礼申し上げます。

なお、二冊目でもあるので、「あとがき」は比較的淡々としたものになりました(笑)。「あとがき」から読む方には物足りないと思いますが、ご容赦ください。

4585221700中近世日本の貨幣流通秩序
川戸 貴史
勉誠出版 2017-03-31

by G-Tools

より以前の記事一覧

2017年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

Amazon

最近のトラックバック