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2017.07.23

【受贈】『今川氏研究の最前線』

日本史史料研究会監修・大石泰史編『今川氏研究の最前線―ここまでわかった「東海の大大名」の実像』(歴史新書y71、洋泉社、2017年)を、執筆者のKさんより受贈。ありがとうございます。

今年の大河ドラマと深く関わる戦国大名今川氏をテーマとしたものであることは言うまでもないことですが、現時点での今川氏の研究成果について解説する内容となっています。

本書の冒頭にもあるように、今川氏は戦国大名としては滅亡した経緯がよく知られているため、どちらかというと地味というか、世間ではあまり注目されない一族であるような印象がします。
ところが、戦国大名研究においては、むしろ長らく戦国大名の典型の一つとして多くの研究成果が蓄積されてきました。中でも今川氏親が制定した「今川仮名目録」と、後に今川義元が追加した条々は、戦国大名によるいわゆる「分国法」の制定の代表例として著名ですし、その内容も極めて重要なものとして高く評価されてきました。

このほか、東海地域の戦国大名として君臨した歴史を持っているため、言うまでもなく織田信長や徳川家康、そして彼らの被官となる国衆たちなど、江戸時代にかけて領主として生き残った多くの一族の歴史にも大きな影響を与える大名でもありました。(その代表の一つが井伊氏なわけですが。)
そんな今川氏が大名としていったい何をしたのかについて、これまでの研究成果を踏まえながら、多岐にわたって具体的に説明が施されています。

ただ、率直に言うと、内容はかなり高度で、この時代に対するかなりの興味あるいは知識がないと、すべてを読みこなすことは難しいように思います。さしずめ日本中世史を専攻する学部生レベルといったところでしょうか。初めて興味を持った初学者クラスでは、歯が立たないかもしれません。もっとも、そのため読み応えは十分ですので、チャレンジする人がたくさん出て欲しいと思います。

4800312639今川氏研究の最前線 (歴史新書y)
日本史史料研究会監修・大石 泰史編
洋泉社 2017-06-02

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2017.07.14

【受贈】『織豊期研究の現在』

織豊期研究会編『織豊期研究の現在〈いま〉』(岩田書院、2017年)を、執筆者のMさんより受贈。ありがとうございます。

名古屋を中心に活動する織豊期研究会が発足して20年を記念して編集されたもので、元は記念のシンポジウムをベースとしています。私も当日は出席したので、当時の報告や議論が(断片的ではありますが)蘇ってきました。

織豊期という時代区分は今では一般的ですが、当会の活動がその認知の拡大に大きく寄与したといえるでしょうか。中世と近世の狭間にあり、そのため業界のニッチになりがちだった時代だったような印象がありましたけれども、今や活発な議論が交わされていて(私もその末席を汚していますが)、そこに果たした当会の役割の大きさを改めて認識します。

本書での議論も多彩で、織豊期研究の広がりを実感することができますが、長らく議論されてきた積年の課題の中には、いまだ決着をみない論点もあり、それも浮き彫りしている感もしました。私がそれに貢献できる自信はありませんが、本書より多くの示唆を得て自分なりにがんばっていきたいところです。

4866029951織豊期研究の現在(いま)
織豊期研究会編
岩田書院 2017-06-01

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2017.06.11

【受贈】『大日本史料』第十編之二十九

『大日本史料』第十編之二十九(東京大学史料編纂所、2017年)受贈。ありがとうございます。『大日本史料』をいただくのは初めてです(実は自分で買ったこともありませんが…)。

対象となるのは、天正3年(1575)3月から5月。織田信長の徳政や、今川氏真の上洛と信長の前での蹴鞠、そして武田勝頼の三河侵攻と鳥居強右衛門の処刑などの事件が含まれています。

徳政に関しては、抜粋ながら上賀茂神社の算用状が掲載されており、先日の某研究会で話題になった「中銭」が記載された史料もありました。このほか、個人的には、二条昭実に織田信長の養女さごが輿入れする記事で、村井貞勝とともに日乗が供奉していることが印象に残りました。

実のところ、政治史にはあまり詳しくはない方なので、史料を熟読して何か新しい発見ができればと思います。

4130904795大日本史料 第十編之二十九: 正親町天皇 天正三年三月―同年五月
東京大学史料編纂所
東京大学史料編纂所 2017-05-25

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2017.05.07

【受贈】『織田信長 不器用すぎた天下人』

金子拓『織田信長 不器用すぎた天下人』(河出書房新社、2017年)受贈。ありがとうございます。

織田信長やその政権に関する研究書や一般書を立て続けに刊行しておられますが、今回は信長の「外交」から内面に迫ろうとするものとなっています。
具体的には、家臣や同盟相手による「裏切り」の要因をつぶさに検証する内容となっています。そこで検討された結果については、私は説得力のあるものと感じました。

本書は決して簡単な内容ではないのですが、非常に読みやすくなっており、筆力を感じました。私もこれくらいわかりやすい文章を書けるとよいのですが…、精進が必要ですね。

本書を読んで個人的に印象に残ったのは、信長よりも徳川家康と武田信玄との関係でした。家康は若い頃から「食えない奴」だったんだなあ、と(笑)。そうでなければ「天下人」にはなれなかったのでしょう。
すでに読んだ人の間では、信長と上杉謙信との関係のたとえ話が話題になっているようですね(笑)。

4309227007織田信長 不器用すぎた天下人
金子 拓
河出書房新社 2017-04-22

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2017.03.22

【受贈】『さつま人国誌 戦国・近世編』3

桐野作人『さつま人国誌 戦国・近世編』3(南日本新聞社、2017年)受贈。ありがとうございます。

長年にわたって続けられている新聞での連載をまとめたもので、主に戦国期の島津氏を中心にまとめられています。私は島津氏や薩摩・大隅の戦国期の動向については全くの不勉強ですので、知らないことばかりで勉強になりました。元々は新聞に書かれていることもあり、とても読みやすいです。

戦国期の鹿児島の歴史を学ぶためのみならず、写真なども多く掲載されており、史跡ガイドとしても有用ではないかと思います。私は鹿児島県の史跡をあまり見ることができていないので、いずれ訪れる際には本書で事前に予習してから行きたいと思います。

4860742478さつま人国誌 戦国・近世編 3
桐野 作人
南日本新聞社 2017-03

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2017.03.08

単著『中近世日本の貨幣流通秩序』を刊行しました

このたび、二冊目の単著となる『中近世日本の貨幣流通秩序』(勉誠出版、2017年)を刊行いたしました。

前著を出してから約8年が過ぎ、その後に発表した論考が増えてきましたので、最近関心のあることも新たに書き加えながら一冊にまとめることにしました。幸い勤務先からも助成を得ることができましたので、刊行する運びとなった次第です。

とはいえ、前著もそうですが、それぞれの論考は元から一冊にまとめる構想に基づいて書いたものではなく、率直にいえば当時の関心や依頼内容に基づいて個別に書いたものなので、一冊にしてどれほどのまとまりがあるのかという批判はおそらくあるでしょう。ただ、いざ一冊にまとめてみると、それなりにストーリーが描けているようにも感じていますし(感じるだけかもしれませんが(笑))、今後の課題も浮かび上がってきたと思っています。

論文集という形での単著となると、おそらく次はもう当分ないと思います(あってもリタイアした頃でしょう(笑))。そういう意味では、私の人生にとっても転機となる一冊になりそうです。
ともあれ、これまでの成果をこのように形にすることができたことは、多くの方々のご助力があってのことです。まして二冊目を出すことができたのはこの上なく光栄なことで、お世話になった方々に改めて御礼申し上げます。

なお、二冊目でもあるので、「あとがき」は比較的淡々としたものになりました(笑)。「あとがき」から読む方には物足りないと思いますが、ご容赦ください。

4585221700中近世日本の貨幣流通秩序
川戸 貴史
勉誠出版 2017-03-31

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2017.03.02

【受贈】『楠木正成・正行』

生駒孝臣『楠木正成・正行』(シリーズ【実像に迫る】6、戎光祥出版、2017年)受贈。ありがとうございます。

タイトルから想像が付くように、楠木正成・正行親子の伝記ですが、文章は平易でかつ図版が多数(毎ページ挿入されている)で、非常に読みやすい内容になっていると感じました。とはいえ内容は充実しており、現時点での研究の到達点がしっかりと踏まえられているように思います。

楠木正成といえば南朝の忠臣の代表格として知られていますが、その実像については長らくはっきりしませんでした。近年の研究によって徐々に実像が明らかになってきましたが、特に序盤ではその点について解説されており、私も勉強になりました。

個人的には神戸で生まれ育ったこともあり、楠木正成は地元にゆかりのある人物としてのイメージを強く持っています(実際に神戸の地名は、正成に因んで付けられたものが多い)。そのイメージ形成自体は近代史のテーマにもなりうるものですが、現実に活動していた南北朝期の時代像についての研究動向がよく理解できました。最近はこの時代の研究が熱を帯びているように感じますが、さらなる盛り上がりを期待します。

4864032297楠木正成・正行 (シリーズ・実像に迫る6)
生駒 孝臣
戎光祥出版 2017-02-23

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2017.02.06

【受贈】『戦国史の俗説を覆す』

渡邊大門編『戦国史の俗説を覆す』(柏書房、2016年)を、執筆者のAさんより受贈。ありがとうございます。

この版元からは刺戟的なタイトルの本がいくつかありますが、本書もその一つといった印象ですね。ただ、内容は攻撃的なわけではなく、丁寧です。
戦国期から江戸初期に至るまでの、一般的に比較的有名な人物や事件について、長らく通説化して「常識」とされていたことが、実は近年の研究によってその土台が揺らいでいることを、わかりやすく解説しています。帯にもあるように、川中島の戦い、本能寺の変や、あるいは関ヶ原合戦など、内容もバラエティに富んでいます。
個人的には、これまで様々な研究に触れてきた中で、本書で触れられたようなテーマに関わる議論が展開されてきたことを経験的に知っているので、それらの論文などに触れた当時のことを思い出しながら読んだ論考もありました。

最近は研究史を読み直すようなコンセプトの書籍が一般向けにも多く出されており、どれを読書の対象として選択するかが難しくなってきたように感じますが、「俗説」に飽き足らない人にとって、本書は内容も十分に刺戟的なものになっているように感じました。

4760147519戦国史の俗説を覆す
渡邊 大門編
柏書房 2016-10

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2017.01.16

【受贈】『わかる・身につく歴史学の学び方』

大学の歴史教育を考える会編『わかる身につく歴史学の学び方』(大月書店、2016年)を、執筆者のKさんとMさんの連名で受贈。ありがとうございます。

歴史学とはどういう学問か、どうやって歴史学を学ぶのか、という点は、研究者個々は経験で身に付いているものの、私を含めて多くの人は体系的に学んだ経験は意外に多くはないと思います。それゆえ、いざ教える側に立ってみると、ほとんど「口伝」で教えるほかに手段がなくて、しばしばもどかしい思いをすることもあるでしょう。

本書は、その「口伝」をかなりの部分で可視化したテキストという印象で、教える側としても、教わる側としても、実に有用なテキストになるのではないかと感じました。

特に印象的なのは、前半でガンジーには様々な評価がある例を挙げていますが、それを研究書や論文からではなく、複数の高校教科書の記述から導き出している点です。大学の授業で高校の教科書を用いることにはそれなりに批判的な意見もあるようなのですが、学生にしてみれば、はじめて大学で歴史学を触れようとした時に、いきなり専門書では面食らうこともあろうかと思います。そこで導入を教科書の記述の比較に求めていることは、そのような配慮があってのことだと(勝手に)解釈しました。比較検討するという、学問の基礎を学べる題材となっている点で、興味深い叙述でした。

もっとも、単なる導入書というのみならず、後半を中心に専門的な文献探索方法なども紹介されており、歴史学を専攻する学生にとっても手引きとして有用なのではないかと思います。
専攻しない学生にとっても、本書を読めば、大学で歴史学を学ぶとどのように自分の役に立つのかという点を理解してもらえそうだと感じました。

私は現在は歴史学の入門的な授業を担当していないのですが、今後そのような機会があれば、是非ともテキストに選びたい書籍の一冊になると思います。

4272412361わかる・身につく歴史学の学び方 (大学生の学びをつくる)
大学の歴史教育を考える会編
大月書店 2016-11

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2016.12.12

【受贈】『応仁の乱』

呉座勇一『応仁の乱―戦国時代を生んだ大乱』(中公新書2401、中央公論新社、2016年)受贈。ありがとうございます。ドタバタしていて、読み終えるのに時間がかかってしまいました。すみません。すでに本書は話題になっており、ここで詳しく紹介するのも屋上屋を架すようなものですが、少々の感想も含めたご紹介をば。

本書の白眉は、『経覚私要抄』と『大乗院寺社雑事記』を中心とした記録類から説き起こすというスタイルで、大和の動向から応仁の乱の顛末を描写しているところですね。この時期の京都の人間が遺した記録類も少なくないものの、実のところ政治的な叙述は上記の奈良で書かれた記録には劣るというのが率直な印象です。その点で、これらの両史料に目を付けたのは卓見というべきでしょう。

特に尋尊が記した『大乗院』は有名な史料ですが、奈良で書かれたこともあって、応仁の乱をめぐる顛末については、所詮は噂話にすぎないとしてあまり重視されてこなかった嫌いがあります。十分な検証を経た上で、本書はこのような評価を排して積極的に記事を参照しているところが特徴といえます(本書で多く紹介される大和の動向や各地の興福寺領荘園をめぐる情勢は尋尊自らが当事者ではあるので、これらの事例は自ずと信憑性が高いわけですが)。

応仁の乱そのものの戦況は、通説ではかなり複雑な描き方をされてきたわけですが、これは後世の軍記物に依存したストーリーであり、実際は多くの研究によって否定されています(今では、高校日本史でもかつてのような図式で説明されていないのではないでしょうか)。しかし、なかなかそれが一般には伝わっていないのがもどかしいところでした。本書はできる限り最新の研究を踏まえて叙述されており、応仁の乱をめぐる事実認識が世間的にもアップデートされることを期待したいところです。

ただ、内容が充実していることと諸刃の剣とはいえるでしょうが、一般向けとしては少々難解かなあという気もします。いや、版を重ねているので、それは杞憂なのでしょうね。

412102401X応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書)
呉座 勇一
中央公論新社 2016-10-19

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